尼崎、沖縄での勝利を梃子に
護憲政治勢力の結集拡大をめざそう

 

 イラク戦争の是非が最大の争点となったアメリカの中間選挙でブッシュ共和党は歴史的な敗北をし、民主党が地すべり的大勝利を得ました。この国ではまだ民主主義が枯れていないようです。

 一方、わが国の民主党は先月の大阪9区、神奈川16区補選で惨敗しました。これは憲法、教育基本法、大衆増税、公務員攻撃にいたる基本政策で自民との違いが出せなくなり明確な争点を打ち出せなかったのが最大の敗因です。

この選挙の中で「共産への票は死票になるからまだましな民主候補に」の動きがありました。ここには今の戦争国家体制に向けて相次ぐ反動立法、それに歯止めをかけられない護憲政党の後退を生み出した小選挙区、政党助成金への疑問や怒り、それを導入した民主党の責任を問う姿勢は全く見られません。

それどころか、社民、共産などの小政党や少数者を切り捨て、多数派に媚びる雰囲気さえ漂います。

 小さい大きいではなく全政党の理念政策、実態を見比べて真正面から選ぶことが、小さいがまともな政党を育て、民衆の立場を忘れた自公民をシャンとさせる効果も出てきます。理非曲直をはっきりさせてこそ本来の民主主義であり、小政党への1票は「死票」ではなく信念票、確信票として評価されるべきものです。しかしまだまだ死票意識が多いことも事実、そのためにも一刻も早く自・公・民と対決できる護憲政治勢力の結集が求められます。

 当面する沖縄県知事選挙、尼崎市長選挙で、白井文さん、糸数慶子さんの勝利を勝ち取り、共闘の成果を出して来年の政治決戦、護憲政治勢力の結集に向けての踏み台にしましょう。

 

2006年11月 「新社会大阪」 掲載