全ての人を犯罪者にする共謀罪、
教育基本法、国民投票法に反撃を

 話す事が罪になる共謀罪を朝日新聞が天声人語で取上げました。「社会の安全の確保が大事なことは、言うまでもない。しかし、人々の冗談や相談が摘発されかねない背の中では困る」と。

 「社会の安全」とは「マフィアやテロ組織」からのものですが、それがなぜ「話す事が罪になる」共謀罪の新設なのか、なぜ実行犯のみが罪に問われる刑法の大原則を根底から覆すのか、なぜ600を越す犯罪が対象になるのか、思想まで取締りの対象にしていいのかにはふれていません。

 言論の自由とは権力批判の自由なのですが、その気概がマスコミから失われて久しい状況にあり、ここにも日本の民主主義の危機的状況があらわれています。

 それにしても全ての国民を犯罪人にして、誰を処罰するかは権力者の胸先三寸で決める。まさに「法治主義から人治主義」への歴史の後退です。これまでもビラ配布、公職選挙法に限らず法律の恣意的運用がまかり通っていましたが、共謀罪は対象が生活の全領域に広がるだけに稀代の悪法といわざるを得ません。

 「お上に楯突くな」という権力の横暴は教育の世界でもまかり通っています。東京都教育庁は13日、職員会議で教職員による「挙手」や「採決」を行ってはならないとする「学校経営の適正化について」という通知を出しました。

 教育基本法改悪、憲法改悪のための国民投票法など悪法の連続に暗澹たる思いにかられますが、今月は憲法月間、あきらめることなく政治の主人公として権力の横暴を許さない取組みを進めていきましょう。

 

 

 

2006年5月 「新社会大阪」 掲載