戦争思考の愚かさ

 

 沖縄全国キャラバン中、尼崎駅前で60歳前後の男性が次のように話かけてきました。 「米軍がいるから日本は平和なんだ。戦争がなくならない以上、国民を守る軍隊はいる。中国や北朝鮮は信用できない」 日本軍に性的奴隷として戦場につれていかれたアジアの女性に「商行為」だと言い放つ自民の奥野議員はこのような人に支持されているのでしょうか。

 

 しかし沖縄県のパンフによれば、米軍関係者によ る刑法犯罪は昨年末まで4784件も発生しており 返って基地があるために安心して眠れないのです。 また戦場となった沖縄で米兵に見つかるといって、乳飲み子を始末しろと命令したのは日本軍でした。 軍隊が国民を守るとはなんと楽天的なことでしょう。

 

 「他国を攻めるか、他国に攻められるか」と考える戦争思考の愚かさ。日本は侵略してもされたことはないのです。『中国や北朝鮮は信用できない」というに至っては、泥棒の説教そのものです。議論は平行線でしたが、安保強化、有事立法の先には消費税の大幅アップが控えています。懐具合から見ても庶民にとっては平和思考が一番です。

「お元気ですか」 131号 1996年7月