個人の為の国家は民主主義の基本

 

 ソ連邦の消滅は、改めて国家とは何かを考 えさせてくれます。

 

  「われわれは自明の真理としてすべての人は平等に造られ…、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、その中に生命、自由、および幸福の追求の含まれることを信じる。 また、これらの権利を確保するために政府が組織されたこと、そしてその正当な権力は被治者の同意に由来する。もしこれらの目的を毀損するものとなった場合には人民は政府を改廃し…、新たな政府を組織する権利を有することを信じる」

 

 これは二百年以上前のアメリカの独立宣言ですが、先ず個人の権利がうたわれ、人民の革命権が宣言されていることに、国家を自明のことのように受け入れている日本国民との意識の差を感じます。

 

 疑うことなしに真理の追究はあり得まぜん。 国だけでもこの国家や国益、国際貢献、国歌、 国旗と幾つもの言葉がありますが、歴史の激動期にあって、それぞれ何を意味するのか、 世界が日本をどうみているのかじっくりと吟 味したいものです。

 

「お元気ですか」27号 1991年12月