湾岸戦争の勃発から戦況報告が連日マスコ ミで流されています。気になるのはイラクのスカッドミサイルによるイスラエルやサウジアラビアの被害に関する報道の多さに対し、既に空爆が5万回を越えているバグダッドの惨状がはっきりしないこと.、多分多くの民間人が殺戮されているのではないでしょう か。イラクがアメリカ国内にミサイル一発撃ち込んだ訳でも無いのにアメリカの軍事行動は国連決議の枠を大きくはみだ しフセインの失脚、石油利権の確保に重点が移っているといわれています。

 

 イラクとクウェート、アラブとイスラエル、この地を支配していた英、仏や石油利権に群がるアメリカなど歴史的・経済的な背景に加 えイラクヘの武器輸出の責任も考慮しなければなりません。

 またイスラエルのパレスチナ ヘの侵略行為に国連では再三撤退決議を上げる動きがありましたが、アメリカが一貫して反対し、イスラエルを支持していたのですから、イラク・フセイン大統領のリンケージ論も一理ありますし 、イラクだけ悪者にする訳にはいきません。あくまでも「アラブのことはアラブの人民に任せる」のが基本です。

 

 問題になっている多額の経済支援や自衛隊機の派遣は全くの国会無視、とても海部さんにフセインさんの独裁ぷりを批判する資格は有りません。

「お元気ですか」18号 1991年2月