多忙な日々から、ゆとりのある日々へ

 

 連休いかがだったでしょうか。私はどこにいくでもなく、のんびりと家族と一 緒に過ごしました。囲碁、将棋、マージャン、ゴルフも知らず、競輪、競馬、宝くじといった賭けごとにも縁がなく、バチンコも学生時代に数回行っだ程度という極めて無趣味の私だったのですが、上の子が思考クラブに入り囲碁と将棋を始めたこともあって、この連休は将棋盤を囲むハメになりました。

 

 どちらも駒の置き方や動かし方を知らないものですから、入門書と首っぴきのスタートです。今の処は私の完勝ですが子供の方が上達が早いと言われており、そのうち私では相手不足になるかもしれません。

 

 さて連休中、パビリオンの前で何時間も立ち続けるなど繁華街の様相を呈した花博。入場者が目標の二千万人から三千万人になるかもと関係者が大混雑を歓迎している様子に、 「人と自然のふれあい」は人込みの中に消えたのか、それとも最初から企業がイベントでイメージを高めるのが目的で、それに行政が肩入れしたのか判然としません。

 

 忙は心が亡ぶ、慌とは心が荒れると書きます、慌ただしく多忙な毎日はいつしか心を荒ませるのかもしれません。西ドイツに比べ一年で4ヶ月も多く働き、心のゆとりを無くした日本人、花博も含め世界から異様に思われるのは至極当然なことでしょう。

 本紙の表紙に花と緑が入ります。季節を感 じていただけたらうれしく思います。

 

「お元気ですか」9号 1990年5月