政治の流れを変えよう

 

 あるクニでのお話しです。このクニの民は長らく同じ村の長老達に政治をまかしていま した。ところが長老達の村では商売をやっているニッケイレンやケイダンレンという旦那衆からお金をもらっては、かれらに喜ばれる仕事をして見返りに献金やカプという小遣いをもらうことを本業にしていたのです。ですから民の暮らしは良くなるどころか住む家も一生かかって買うのがやっとでしだ。長老達は民のお金で危なっかしいゲンパツ や空港.新幹線をつくっては旦那衆の手助けをしました。それはそれは忠実な働きぶりだったのです。ところがあまりにお金を旦那衆のために使い過ぎたために金が底をつくようになってしまいました。仕事を減らせばいいのですが、機嫌を損ねられたら一大事です。

 

 そこは長老と旦那衆。談合の末、金持ちも貧乏人も同じようにゼイを収めさせ、一方で貧乏人が収めたゼイを使って旦那衆がもうかるようにしくみ、贅沢品を買う際に収めていたゼイも止めることにしました。 ただでさえ長老村は利狂人のカブで大もうけしていたり、なかには女を金で買った者がいたりして評判は落ち る一方だったのですが、またもや悪さをしでかしたものですから、いくら我慢強い民でも怒り出してつ いには長老村の住人を締め出して しまいました。

 

 そして女の村長が率いる村人を引き入れたのです。 さて次の場面は永田町へと移るのですが、どうやら女村長も長老達のずるさには一苦労のようです。それにしてもそろそろ役者の改選が近いと思うのですが….。

 

「お元気ですか」3号 1989年11月