危険な原発はそろそろ終わりに

  

 ものごとには始めと終わりがつきものである。しかし原発にはこの終わりが存在しない。

 毎日放射能を垂れ流し、放射能に汚染されたゴミや使用済みの燃料の処理さえ解決の見通しが立っていない。危険な放射能を私達の子孫が何十万年も管理し続けなければならない。生まれてくる子供達にとって迷惑千番な話であろう。

 もっともそれ以前に人類は滅ぶかも知れない。チェルノブイリの事故で健康診断を受けた人約五百万人、被害額二兆円近く、これはソビエト当局が発表した数字である。

 どんなに電力会社が安全キャンペーンを繰り返そうと毎日のようにひび割れや冷却水漏れの事が起きている。原子炉の近くに米軍機が墜落する事故や静岡の浜岡では原子炉のコントロールがままならぬまま何時間も経過した。その時のデータも公開されていない。

 夏のピーク時でも電力は余っている。全ての原発を止めてもなんら支障はないのである。日置川町では原発反対町長が誕生した。日高、窪川に次ぐ勝利である。私の扱っている脱原発の冊子「四番目の恐怖」も既に二千冊を越えている。

 原発が終わりになる日も間近であろう。

 

1988.7 ひろば No.46 「つれづれ」より