百害あって一利なしの
インフルエンザ予防接種

 

 「かぜワクチン後に重傷」「一時危篤に」「全身マヒで入院」と新聞の活字が踊ったインフルエンザ予防接種事故が起こったのは、昨年11月下旬のこと。

私が今回の事故を知ったのは、たまたま被害者の母親が阪急駅前にある大友選挙事務所に話しを聞いて欲しい、と訪れたことからです。

 

 これまで議会で取り上げていた私は、早速薬害の専門家と一緒に被害者の家に訪問し、詳しい経過を聞きましたが、「子供が死ぬかも知れない」と言われた家族の衝撃は大変だったようです。

 

 9月議会の本会議、民生委員会、12月の民生委員会と立て続けに質疑してきた件でしたが、今回は具体的に危篤寸前までの副作用の事故の直後だけに市長も「府や厚生省にも直接出向き、対応策を訴えたい」と答弁しました。

 質問に先立ち、当局からの予防接種率の資料を提出してもらいましたが、一番低い西小学校は55.5%、西陵中学校は39.4%であり、これは予防接種に対する疑問を持つ先生や保護者などの存在がうかがわれるような気がします。市が提出した資料は1回でも受けた率であり、2回となると更に低くなります。78割の接種率があって初めて効果があるという学説を鵜のみにしても、茨木の接種率はこれをはるかに下回り、まったく無意味といわざるを得ません。

 しかもインフルエンザ自体怖い病気ではありません。今回の答弁の中でもインフルエンザによる直接死因は10万人で0.6人でありかえって今回の様な副作用の事故の方が怖いと言えます。

 

厚生省・大阪府と交渉

 私は612日に厚生省、27日に大阪府との交渉に臨み、今回の事故について報告し集団予防接種の中止を要求しました。厚生省の担当官は「人権上強制できないし、社会防衛と言う考えは個人的には嫌いだ」と発言し、集団接種の有効性についての科学的データを示すことはできませんでした。

 今回の事故を契機にして、「百害あって一利なし」のインフルエンザの集団予防接種は中止に追い込んでいかねばと考えています。

 1987年7月  社会新報