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                         西日本入管センターを考える会

                         茨木市議会議員  山下けいき

本日お集まりの皆さん

大阪茨木にある西日本入管センターでは建設当初から懸念されていた人権侵害事件が次々と起きています。大阪高裁が国に慰謝料を命じた職員暴行事件に続き、昨年11月にはベトナム女性の強制送還の際に暴行した事件が明るみになりました。

「職員らは手錠をかけ、下半身を毛布と縄で縛って担ぎ出し、関西空港に車で運んだ。女性が機内で帰りたくないと叫ぶと、職員は腹部をひざで押さえつけ、布を巻いた棒をかませた上に、ひもと粘着テープで口をふさいだ。30分後、女性が叫ばないと伝えると、ようやく猿轡が外されたが、手錠や縄は離陸約20分後まで解かれなかった。手足がはれて、ベトナムで1日入院し、通院中である」と、新聞でも大きな非難を浴びています。

また強制送還の見通しがなく、いつ出られるか分からないままに長期収容が続くことに伴う精神的、身体的ストレスは大きく、健康を損なう要因となっています。加えてセンターのあまりにもひどい処遇によって、多くの自殺未遂事件が発生しています。共同通信によれば収容中に自殺や自傷などの行為に及んだ外国人が、2000年3月から2004年7月までの間に、少なくとも23人いたことがわかっています。

昨年6月には西日本入管センターの処遇に怒った二十数名のベトナム難民がハンストを決行し、仮放免が実現しています。

また今月に入って収容されたベトナム難民のFさんが倒れ、救急車で運ばれたものの死亡する事件が起きました。

これまでの聞き取り調査やマスコミ報道から次のような事実が明らかになっています。

Fさんは数ヶ月前に収容され、倒れる1ヶ月前の受診で高血圧が見つかり食事療法を始めていた。同室者によれば9日の夜は頭痛で寝ていない。また10日も体調が悪いと話していた。この夜「全身の筋肉が引き裂かれるようだ」と話すほど悪くなり、「センター職員に血圧が安定する薬などを求めたが、得られなかった」。当日の11日も体調が悪く運動しなかった。昼になってトイレの中で倒れ、頭部から出血しているのを発見され、救急車で千里救急救命センターに搬送された。症状はくも膜下出血、頭蓋骨骨折。すぐに救急手術して一命は取り留めたものの、植物状態で生体反応のみとなった。しかし15日の午後に死亡した。

なお事件が発覚したのは収容者から複数の支援者と新聞記者への通報からでした。

今回の事件で明らかになったのは、いかに収容者の生命、健康が粗末に扱われているかです。刑務所でも入所時の健康診断がありますが、センターではそれがありません。

さらにはセンターでの診察自体が本来の治癒が目的ではなく、収容の継続のためのものになっていることが大きな問題といえます。また医療費を安く上げるために、よほどのことがない限りセンター外の病院での診察を認めず、認めたとしても逃亡防止策とセットになっているため、医師も収容者を患者ではなく犯罪者、囚人として見てしまう傾向があり、治療内容にも影響を及ぼしています。

今回の事件を受けて私たちの会では、面会活動を再三、取り組み、15日にはシナピス、ラフィックの皆さんと西日本入管センターの才賀総務課長、辻係長に対し、有病者の早期仮放免を求めました。

また議会でも取りあげ、人権部長から「西日本入管センターが本市内にある施設であり、当センターにおけるさまざまな人権問題が新聞等で報道されておりますことから、当センターを毎年訪問し、交流し、人権尊重の取り組みなどについて質疑を行うとともに、本市が人権尊重のまちづくり条例を制定していること、また、人権問題を市政の重大な課題の1つとして取り組んでいることを伝え、当センターにおいても人権尊重という基本的な姿勢から対応していただくよう、要望しております」との答弁を引き出し、ベトナム人女性強制送還時の暴行発覚後にも人権部長が当センターを訪れ、諸問題について、人権の視点に立って取り組むよう、要望しています。

今後、会として今回の事態を引き起こした責任を追及し、二度とこのような事件を引き起こさないよう申し入れていきたいと考えています。

 最後に本日の集会の成功を祈念しメッセージとします。

2005年4月