反戦・民主・労働者の力を強め、改憲阻止の年に

新社会党大阪府本部委員長 山下けいき

 党員、読者の皆さん新年おめでとうございます。

 

 昨年は参議院選挙をはじめ、新社会党の活動にご参加、ご支援・協力をいただきありがとうございました。心から感謝申し上げます。

 

 さて、昨年は日本の政治がますます憲法から離れていく一年でした。米国での同時テロを待っていたかのように自衛隊が米軍支援で派遣されました。その艦艇が、どこでどのような活動に携わっているのか、全て軍事機密を理由に国民には何も明かされず、隊員の家族にも知らされていません。軍隊が大手を振るうほど、情報が一部のものに独占され、シビリアンコントロールが有名無実になり、軍隊は軍隊の論理で暴走をし始めます。

 

 国旗国歌法も時の経過の中で、まさに私たちが指摘したように、その凶暴さを徐々に現しています。拒否する教員への大量処分、国会や大阪府議会での議場への掲揚です。

 

 茨木の12月市議会でも議場への「日の丸」掲揚が大きな議論となり、数の力でこの元旦から実施されることになりました。元々自民党・保守が一緒になった会派から提案されたものですが、公明党、民主・市民ネットワークが賛成し、反対は私の所属する元気市民と共産党でした。

 

 本会議では「日の丸」の一方的掲揚に反対する決議を、議案としてこちらから出しました。これに対する質問もなく、討論も私の賛成討論だけ。「日の丸」派からは、なぜ掲揚するのかの説明は何もなく、唖然としました。これは私の市議会だけなのでしょうか。

 

 多数派は平和の問題に限らず、市民から出された請願に持論を展開せずに数だけで反対です。民主・市民ネットワークに所属する、かつての社会党議員が出してきた「日の丸決議」は、「過去の戦争とは切り離して、恒久平和を築くための表現」として「日の丸」を議場に掲げようという内容。この決議には申し訳程度に「過去の戦争を曖昧にするものではない」とあるものの、まさに「戦争のシンボル」を「恒久平和のシンボル」にすることが「過去の戦争を曖昧にする」行為そのものであることに、彼らは気づかないのでしょうか。おそらく私たち が何もしなければ世の中はこのようにして段々と悪くなっていくのかもしれません。

 

 今年は有事立法、憲法改正のための国民投票法も通常国会に提出が予定されており、憲法改悪阻止に向けて国民的立ち上がりが急務となっています。私たちは年末の府本部大会で、「憲法を生かす会」の結成でこの一翼を担う決意を固め、府や自治体レベルでの取組みを強化したいと思います。

 

 国民生活も小泉構造改革で、倒産、失業が戦後最高を更新しつづけ、労働者はますます無権利状態に置かれ、先行きの不安を抱えています。党としても相談や組合結成を目指す「地域ユニオン」の活動を今年は具体的に取組みたいと考えています。

 

 来年4月、吹田、堺で統一自治体選挙、また9月の東大阪で複数候補の勝利をめざす闘いも今年が正念場、本格的な準備を進める一年となります。

 

 読者の皆様にとって今年が幸せに満ちた一年になりますように、また新社会党に引き続きご支援、ご意見を賜りますよう願って新年の御挨拶とします。

2002年1月  「新社会大阪」掲載分