失業や自殺が少ない社会へ

 国勢調査によれば、茨木市の完全失業者は1990年の3758人から95年には6145人と急増、昨年の結果は出ていないが、大幅増は間違いない。

 本市の自殺者も1997年に63人だったのが、翌年の98年には70人と倍増、死因別でも5位と急上昇した。昨年は更に増えているのではないだろうか。平均すれば5日に1人、死を選んでいることになる。全国の統計ではイメージが湧かないが、自分の町で考えると改めてその多さに驚く。

 自殺は1950年には死因の10位に入っていなかったのが、98年には全国で第6位、大阪で第5位に位置するようになった。20歳から39歳の死因弟一位である。若者にとって就職難だけではなく、人生の目的が見出しにくい今の社会は大変深刻だと思わずにはいられない。もちろん厳しい状況は若者に限ったことではなく、中高年も一緒である。

 規制緩和やリストラによって失業率が最悪の我が国に対し、イギリスでは労働党政府が進めた雇用保護規則や、若年者の求職を促進する種々の施策により25年ぶりの低い水準。政治が変れば社会も変る好例だ。失業や自殺が多いことの責任は長期にわたって政権を担当してきた自民党が大半とはいえ、それを変えられなかった私たちの責任もある。

 自分らしく生き、人間らしく働ける社会に近づけば自殺が死因の上位を占める社会は過去の話になる。そのためにも参院選は負けられない。

2001年3月  「新社会大阪」掲載分