外登法・入管法と民族差別を撃つ関西研究交流集会

 第九回を迎えた外登法・入管法と民族差別を撃つ関西研究交流集会が四月十六日に京都大学で開かれた。この研究交流集会は政府の外国人政策が余りにも排外主義とご都合主義であり外国人の人権を無視していることから、それを法で規定した外国人登録法や入国管理法の抜本的見直しや、国境を越えた人々の闘いを通じて侵略と戦争、差別と抑圧に満ちた世界を変えることを求めて毎年開かれているものである。

 今年も各界から闘いの紹介やアピール、連帯の挨拶、講演が相次いでなされた。目立ったのはほとんどの発言者が石原東京都知事の「不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪を繰り返している。大災害時には騒擾事件が想定される」と「三国人」との蔑称を用いて偏見を煽り「軍隊としての自衛隊に治安出動を求めた」発言への批判である。

 在日フォーラム代表の李相泰さんは自衛隊の新聞を見ると、阪神大震災では自衛隊員全てが救助に当たっていたのではなく、かなりの隊員が治安維持のために出動していた。外国人が悪さをするとのウワサもあったが、実際は国籍に関係なく助け合ったと発言。また震災復興と神戸空港建設に触れ、阪神大震災の復興資金として十兆円つぎ込まれたがその大半が公共事業だと指摘、神戸市は市民一人当たり二百万円の借金がある。空港が失敗すればこれは更に百万円膨れあがると空港建設を批判した。

 沖縄からは反戦地主で読谷村議の知花昌一さんが発言。国はデタラメだ。白昼堂々と二つの顔を使い分けて普天間基地の県北部への移設を進めてきた。県北の振興に十年間で一千億円を注ぎ込むというが、金を使うために必要ではない事業をしなければならない。その中で政府の金を当てにする体質が作られ、一方で地場産業が破壊されていく。結局政府の金がなくなったら基地に頼るしかない。一旦振興策を受け入れたら毒がまわって闘えなくなる。振興策は毒まんじゅうだと指摘しました。

 また海上基地に反対している名護市議の宮城康博さんからは「基地推進の岸本市長リコール運動はリコール後の市長選候補者が決まっていないことから中断しているが、市民の名護新基地に反対する気持ちは多数を占めた住民投票時点となんら変っていない。運動はすこぶる元気で、せまっている沖縄サミットへは嘉手納基地を人間の輪で包囲したいと」の決意が述べられた。

 外国人参政権運動からは国会に提出されている自由・公明案は新たな外国人の分断につながるとして批判がなされ、とめよう戦争への道!百万人署名運動の大野康平弁護士は昨年の国会で相次いだ反動立法と憲法調査会に触れ、憲法は時代遅れで環境権が入っていないというが戦争こそ最大の環境破壊である。憲法調査会の真の目的は九条改悪にあり改憲は絶対に許されないと訴えた。それぞれの発言が今の反動化する政治への怒りに満ち熱気のこもった集会となった。

2000年5月 新社会党機関紙「新社会」より