茨木市議会議員 山下けいきHP

 

山下の懲罰をめぐる賛成反対の討論ほか

 

○石井議長 これより討論を行います。まず、反対意見の発言を許します。4番、岩本議員。     (4番 岩本議員 登壇)

 

○4番(岩本議員) 私は、山下慶喜議員に対する懲罰について、懲罰を科することに反対するという立場で討論します。  

 

 懲罰を科すことに反対する第一の理由は、議員は、一方的に設置された日の丸問題に抗議するという意味で、憲法に保障された基本的人権の範囲内で許され得る行動の一環として、自席の上に約10センチ四方のミニ国連旗を置きました。この行為は、議員のささやかな抗議の意思表示であり、議事の進行を妨げたり議場を混乱させようとする意図は全くありません。このことをもって懲罰で裁こうとすることは、懲罰権の乱用以外のなにものでもないからであります。  

 

 懲罰を科することに反対する第二の理由は、会議規則第152条による議決で、ミニ国連旗の設置の是非を問う、そのこと自体が問題であり、根拠を持たない議決に従わなかったことをもって懲罰を科すことは不当であると言わざるを得ません。

 

 懲罰に反対する第三の理由は、撤去を命じたことに従わなかったということでありますが、議場の秩序を乱す具体的根拠は、いまだ明らかにされておらず、それをもって懲罰に科す等のことは、多数による暴挙と主張するものであります。  

以上、3点の理由を述べ、反対の討論といたします。(拍手)

 

○石井議長 次に、賛成意見の発言を許します。32番、木本議員。  

(32番 木本議員 登壇)

 

○32番(木本議員) 山下議員の懲罰の動議に賛成の立場から討論を申しあげます。

 

  一連の山下君の議場での行為については、一片の弁解の余地がない。そして、賛成討論の中でるる述べておりますので、私は省略をいたしたいと思います。  

 

 ただ言えることは、山下議員は、この議長席に日の丸、茨木市旗をかけるのはよくないと言いながら、自分は、自分の机の上に国連旗を掲げた。これは表現の自由や、議長席の日の丸、茨木市旗は、これは表現の自由に当たらない、これ、矛盾していないでしょうか。  あえて言うならば、私は、議長席に日の丸と茨木市旗を揚げるのは違法であり、憲法違反だと言うならば、それを認めるならば、私は、あえて言うならば、私は国連旗をかけるのは違法であるし、表現の自由を逸脱するものであるけれども、あえて日の丸と茨木市旗に抗議してかけているんだというふうに言えば筋は通っていますが、議長席にかけたものは、これはもう表現の自由を逸脱している、おれがかけたものは正しいんや、という論理の矛盾を何も感じないんでしょうかね、不思議ですね。  だから、山下議員は、自分の表現の自由を認めても、相手の表現の自由を一切認められないという、これこそファッショじゃないでしょうか、

 

桂さん。  桂さん、あなたが先ほど、阿字地さんのいわゆる討論に対して反対の立場で、阿字地さんのじゅずを持ってお参りしたことを、正当化どころか、それを擁護するような発言をされた。あなたは、大変に若くて優秀だと思っていただけに残念なんです。そんなことを本当に心から正当化されていたのかどうか、大変疑問に思います。

 

 私は、重ねて申しあげますが、議長席が、議長の日の丸と茨木市旗を、その当時の福井議長が、いわゆる一定の手続をもって、最終的には議長の権限で議長席に日の丸と茨木市旗を揚げた、こういうことなんです。もし、これが不当とするならば、この日の丸と茨木市旗は、表現の自由を超えた、いわば公序良俗に反した、日の丸と茨木市旗は、それに反したものやというふうに決めつけないと、おかしい。確かに山下議員は、この日の丸と茨木市旗は公序良俗に反したものであるというふうに12月の議会で言っておられます。はっきりと言っておられます。  しかし、法律で、日の丸は国旗やと保障されてますから、ほかの、議長席にポルノの旗とかそんなんを置いただけやないので、私はもし百歩譲って山下議員の言うことをいれるならば、この日の丸の、あるいは茨木市旗の掲揚も、表現の自由の範囲内であるということを、はっきりとお認めになって初めて議論がかみ合うんではないかというふうに重ねて申しあげます。

 

 それはさておきまして、日の丸と茨木市旗を議場内に置いた、それが今度の事件の始まりやというふうにおっしゃいますので、その一点一点について反論を加えた、手続上も、あるいは憲法上も、法律上も、日の丸を、あるいは茨木市旗を掲げるのはよくない、言いかえれば違法な行為であるというふうに。ですから、違法な行為が行われたので我々も違法な方法で、何をしても許されるという立場に立っておられたのではないか。  

 

 山下君に言わせると、12月の発言の中で「日本は、日本人として、誇りを持つ国に値するのか」という疑問視を持っておられます。そして、茨木市旗についても、「茨木市は、茨木市民が郷土茨木として愛する内容を備えているのか」こんなこともおっしゃっておられます。

 

 言いかえれば、日本は、日本人として誇り得ない国であり、茨木市は、市民として愛すべき郷土ではないと断定をされております。そういう論点への反論というのは、私は大変ばかばかしいからするのは嫌なんですが、本当にあいた口がふさがらないぐらいに衝撃を受けました、正直言って。  その上に、憲法の解釈においても、例えば、12月の議会で、国家を「国民の奉仕機関である」と、天皇も、公務員と同じく「国民の全体の奉仕者である」これは本当に私に言わせれば、皆さん、どう思うか知りませんが、珍解釈───「新解釈」じゃなしに「たちつてと」の珍解釈───でもって論陣を張っておられます。そして、「議場に日の丸、茨木市旗を掲揚したことは憲法違反」の、驚くべき解釈ですね。  ぜひ、憲法違反と山下議員がおっしゃるなら、山下議員のお好きな裁判に問うてください。ぜひ、そうしていただけたら、この掲揚が憲法違反か、あるいはほかの法律に触れるのか、最高裁判所は判断をくださるでしょうし、もしこれが憲法違反という判断がされたら、潔く議長は掲揚を下げたらいいんです。そういう問題だというふうに思います。

 

 さらに、氏は、───山下氏ですよ───言うに事欠いて、日の丸は戦前の皇国史観に基づいてアジアの人々を2,000万人殺りくしたシンボルやと。その上に何と、日の丸と、あの例のナチスドイツの鍵十字を同列に述べておられるんですよね。これはもう本当に信じがたい話ですね。歴史認識の間違いを、本当にこれは確信犯なんでしょうかね。

 

 また、氏は、民主主義の問題について、「最高の権力を国民が有するものであって、多数決は物事を決する単なる一つの方法でしかない」はっきり言っておられます。議員としては驚くべき発言ですね。議会制民主主義は、もう何回も私、言ったんですが、議会人として本当にそういうふうに思っておられるのかと。しかしながら、一連の国連旗の問題を考えたときに、ああ、そういうことだったら、あの行動は仕方がない話ですな。

 

 ですから、山下議員の民主主義という解釈は、自分の気に入った決定には従うけれども、気に入らない決定には従わなくてもいいというふうに取れると私は思います。皆さんはどう思われでしょうか。  

 

 ですから、その解釈に基づいて国連旗の撤去の議決をするときに、記名投票をみずからしながら、ご自分の手に気に入らない議決であったので、その議決には従わなかった、従う必要もなかったというわけです。そういう意味では、皮肉に言えば、一連の行動は筋が通っていると言えば筋が通っています。

 

 残念ながら、山下議員の議会制民主主義に関する解釈は、百歩譲っても120%間違っています。ふた言目には山下議員は、「民主主義」「平和」「人権」を売り物にしてこられた。勉強不足と言われても仕方がないんじゃないでしょうか。わかってて、そういうことを言うのを昔は「曲学阿世の輩(やから)」というふうに、昔の吉田総理が当時の南原東大総長のことを指して言ったことがあります。全面講和か単独講和かという、日本が独立するときの話であります。ですから、「曲学阿世の輩」なんていうのは、これは褒め言葉です。  

 

 氏は、日本のために、ひいては親、兄弟、妻、子ども、郷土のために、みずから命をかけて戦ってくれた若者の死を、12月の議会で「無駄死に」やと。「無駄死に」やということは、何の価値もない死に方やと。何たる歴史観でしょうか。彼らの死があったればこそ、戦後60年近く日本は、平和と繁栄を享受してきたのではないでしょうか。彼らに対する、戦死した若者に対する感謝と尊敬の気持ちを持たずして、山下君はどうして彼らの死を、どんな顔をして「無駄死に」と言い切るのか、私には到底、氏の精神構造を理解できない。

 

 日本は、2,000万人のアジアの人々を殺りくしたとは、何たる曲解でしょう。氏は、ナチス・ドイツのアウシュビッツとかホロコースト、これははっきり言って、ユダヤ人を大量殺りくをいたしましたが、それと日本と戦争した人々に「殺りく」とは、言葉の使い方を間違っていませんか。同列に扱うというのは、これも曲学阿世です。2,000万人を殺りく、戦死させたという数字もはなはだ、南京大虐殺の話と同列に、中国では「白髪三千丈」、そういった比喩で言うことと同じたぐいのものだと思います。  

 

 戦争というのは、いずれにしても殺し合いです。また、戦争というのは、政治の延長線上にある一形態であります。世界のこれは常識です。戦争をしたくなければ、紛争の相手国の言うことを100%聞けばいいんです。戦争はここで起こりません。相手の言い分、100%聞いたら戦争は起こりません。しかし、100%聞いたら、その結果、その国が存続しているか、なくなっているかは、私は責任は持ちませんけれども、戦争は、残念ながら政治の延長だというのは、さきの例のアフガニスタンのことでもはっきりと言えることであります。  

 

 いずれにしても、アウシュビッツと、日本軍との戦争における戦死を同列に論ずるなど、言語道断でしょう。あの連合軍による極東軍事裁判も真っ青な歴史認識です。私も歴史については門外漢であり、勉強不足の中の一人ですが、山下君もまだまだ若いから、もっと勉強してほしい、歴史を。真の日本の歴史を学び、日本人として、日本国に誇りを持てる日本人に私はなりたいし、そうなっていただきたい。そして、それを子どもたちに伝えたい。茨木市民として、もっと郷土茨木を愛せるような茨木市になりたいし、子どもたちにそのことも伝えたい。それが私たちの責務です。  

 

 重ねて申しあげますが、山下君の歴史観は間違っています。少なくとも私には、到底受け入れがたい歴史観です。山下君が市会議員で本当によかったと思います。学校の先生でなくて本当に、私はよかったなとつくづく思います。

 

 いろいろ論じましたけれども、そういう意味で、一連の行動は当然、懲罰に値しますが、その前提となる、この議長席の国連の旗の問題にしても、論理の矛盾がはっきりと言えると私は思います。  そういった意味で、委員長の報告の懲罰のとおり、陳謝の決定は妥当であるというふうに考えまして、私の委員長に対する賛成の討論といたします。ありがとうございました。(拍手)

 

○石井議長 以上で討論を終わります。  これより採決いたします。本件に対する委員長の報告は、委員会起草による陳謝文により山下慶喜議員に陳謝の懲罰を科すことであります。  これより、起立の方法をもって採決いたします。本件、委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員の起立を求めます。     (起立する者あり)

 

○石井議長 ありがとうございました。起立者多数であります。よって、委員会起草による陳謝文により山下慶喜議員に陳謝の懲罰を科すことは可決されました。  山下慶喜議員の入場を求めます。     (23番 山下議員 入場)

 

○石井議長 ただいまの議決に基づき、これより山下慶喜議員に対し懲罰の宣告をいたします。  山下慶喜議員に陳謝の懲罰を科します。よって、陳謝文の朗読を命じます。山下議員の登壇を求めます。

 

○23番(山下議員) 先ほどの弁明のとおりでありまして、私はこの陳謝文にあるように「誠に申し訳ありません」とか「深く反省し」こういった陳謝文を読む気は一切ありません。

 

○石井議長 陳謝文の朗読をするよう、山下議員に再度、命じます。  朗読を命じましたが、登壇し、朗読されませんので、地方自治法第129条第1項の規定に基づき、議場の外に退去を命じます。  

   (23番 山下議員 退場)(「議長、畑中孝雄議員ほか5人の議員に反省を求める決議を提出します」と中村議員呼ぶ)