任期付職員の採用に関する条例の制定への反対討論 2009年12月17日
反対の第1の理由は、任期付職員制度の導入は不安定な職種をふやすことにつながり、雇用不安をなくしてほしい、非正規労働者を正規労働者へという社会の要請に背くものであるということであります。 今回の条例案は、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律に基づき提案されたものであり、法律の条文に沿った条例の構成となっています。この法律は、小泉構造改革の中で、だれもがその問題点を指摘するに至った、日雇い派遣を可能にした労働者派遣法をはじめとする労働諸法の改悪の中で、自治体においても3年、5年の有期雇用ができるようにしたものであります。 今回の議論の中で、1年から3年に延びて身分が安定するんだ、いいことなんだと言わんばかりの答弁がありましたけれども、対象とされている当の留守家庭指導員は、だれ一人として歓迎するどころか、大半が反対しており、議会にも反対の陳情が寄せられています。 確かに、法律は非常勤職員1年とありますが、実際は反復して採用されており、茨木市非常勤嘱託員に関する規則にも定年齢が60歳とあることから、現在働いてる人にとって、その年齢までは働くことができるとの期待権が生じていることは言うまでもありません。それが3年ごとに採用試験を受けなければならない。不採用の可能性もあるわけでありますから、一挙に雇用不安が自分の身に降りかかってきたことになります。答弁は、現に働いている職員の心理的な不安を全く理解していないものであり、採用する側の論理、強者の論理であると指摘せざるを得ません。
反対の第2の理由は、法律の拡大解釈にあることであります。 反対の第3の理由は、地方自治法や地方公務員法が前提にしているのは安定した公務労働による住民サービスであり、例外的な位置づけとなっている有期雇用の拡大によって矛盾が生じてくることであります。 3年、5年の任期付職員が公務の中でなした瑕疵責任について、退職後もその責任が問えるのかどうか、さらに懲戒や分限処分が適用されたとしても、その本来の目的である懲戒の機能や効果を有するのか、疑問が生じてきます。答弁は、地公法での対処とありましたが、今後、問題が生じてくることは否めないと私は考えます。
なお、任期付職員の対象を拡大すること、反対に、拡大に一定の歯どめをかけることについては、現時点では考えていないとの答弁がありましたが、本格的な運用は個人情報の漏えい、市民サービスの低下につながるものとして危惧されます。何よりも、継続性と安定性が求められる公務労働のあり方としても、このような有期雇用制を認めることはできないことを最後に申しあげ、また、議員各位のご賛同をお願いいたしまして、私の反対討論といたします。
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