茨木市議会議員 山下けいきHP

 

 

乳幼児から学童期までの保育・学童保育、

子育て施策の拡充を求める請願に

賛成の立場から討論

2008年12月

私は請願第7号に賛成の立場から討論いたします。

今回の請願は乳幼児から学童期までの保育・学童保育、子育て施策の拡充を求める内容であります。 

私が賛成する第一の理由は、市民が議会に請願し、市に種々の要望書を提出するのは主権者として当然の権利であり、その行為は主権者意識をはぐくみ、主権者を主権者たらしめるためにも必要不可欠だと考えるからであります 

賛成の第二の理由は、請願の内容はもっともだと考えるからであります。中には若干違和感を覚える項目もないではありませんが、それとて特段反対すべきものでもないからであります。

請願は自治体が責任を持つ現行保育制度を守り拡充されたいとして、公立保育所の存続、民営化後の検証と情報公開、保育水準の向上、保育料値上げではなく保護者負担の軽減などを求めています。

また学童保育については下校時の安全対策の強化、夏休み中の大型エアコンの設置、71人以上の教室を分割して適正規模化、複数の正規指導員の配置など切実な保護者の思いが込められています。

これ以外の項目についても請願の内容は保護者としては当然のものとして理解できるものであります。

 保育所の民営化に当たっては9月議会の討論でもふれましたが、郡山保育所の移管法人を決める選考委員会は当事者の意向が尊重されないままに推移しました。当事者が他市と同じように移管法人の募集範囲を市外にも広げてほしいと切望していたにも関わらず、市内に固執したために郡山も、松ヶ本も2つの法人しか応募がなく選択権は無きにも等しい状況になりました。

 また移管法人を決定する選考委員会では保護者会が幾度も会議を開いてまとめた文書すら会議録に反映されませんでした。ここまで保護者の意見が軽視され、異論へ耳を傾けようとしない対応を見ておりますと、民営化が最終目的になってしまい、何のための民営化なのかさえ忘れていると指摘せざるをえません。

 今回、請願付託の委員会会議録を見る限り、請願者に対する質問もなく、反対の理由は不明でありますが、どちらも委員会では否決となっています。

過去の請願反対の討論において小泉改革へのコメントは別にして地方財源が厳しくなったのであるから、また労働環境が多様化しているのだから、その現状に合わせて保育も学童保育も見直しは当然だとの意見もありました。 

しかし私はこの考えには賛成できません。

今日の格差と貧困を生んだ小泉内閣は三位一体の言葉をもてあそび、あたかも、聖書にいう父と子、そして聖霊と同様の三位一体であるかのようなイメージを創作し、地方自治体に財政負担を押し付けたにすぎません。

 小泉内閣の三位一体は地方財政切捨てを狙いとして、財政に関することを三つ並べただけのしろものに過ぎず、スタートとなった〇四年度予算では、地方への支出が三兆九千億円も削られ、増えた税源はわずかに四千五百億円でありました。

地方交付税の大幅削減によって予算編成にも支障をきたす事態を生み、「三位一体どころか三位バラバラ改悪だ」と当時の梶原全国知事会会長は批判したものです。

 また国の財政悪化の原因としては「公共投資六百三十兆円計画」のもとで、大型公共事業が拡大されたこと、もう一つはバブル崩壊による不況に加えて、大企業や高額所得者、大資産家などへの減税が繰り返されてきたからです。更には小泉「構造改革」によるリストラ促進や社会保障の改悪によって国民の所得が伸びなかったものであります。

昨年の春闘白書によれば一兆円以上の内部留保がある大企業は12兆円のトヨタ自動車を始め31社にも及んでいます。またメリルリンチとフランスのキャップジェミニが世界銀行と国際通貨基金の所得統計を元にした推計した100万ドル以上の金融資産所有者の6人に1人が日本人です。ないところからとるのではなく、あるところからとったらいい、そのあたりまえのことをすればいいのです。

また今回の本会議質問では政府の定額給付金を取り上げました。国民への2兆円ばらまき、そのための経費800億円。消費税の引き上げとセットでは景気対策や、低所得者の生活支援にもならない。国民の反対が7割、自民党の中でも2兆円あれば小中学校の耐震工事や雇用対策に使えるの声が出ています。税金をばらまくだけなら最初から税金を集めなければいいのです。ばら撒くための800億円はまったくの無駄遣いであります。こんな無駄遣いをする金があれば、待機児童の解消に使えと私は言いたいのであります。何が無駄遣いかは人によって違いますが、私に

 金のかかることは出来ないとして、請願反対の意見もあろうかと思います。しかしなぜ、地方自治体が子どもや高齢者のために金をかけられなくなったのか、その原因を明らかにすることなく、ただ既成事実の前に屈服するのは私のとる態度ではありません。

 やむを得ないだけで、原因にも、それへの反論もないままに自治体だけでの解決では、憲法の第八章 地方自治がなくと言うものであります。

以上いいたいことをいいましたが、請願賛成の理由を述べ、また議員諸氏のご同意をお願いして討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。