茨木市議会議員 山下けいきHP

 

 

郡山保育所の保護者から出された請願(請願第2号、「茨木市立保育所民営化予定に関することについて」から請願第5号、「茨木市立保育所民営化にかかる移管先法人選考に関することについて」)

賛成の立場から討論

2008年3月19日

 ただいま上程されました請願第2号、請願第3号、請願第4号、請願第5号について、相関連していることから、一括して賛成の立場から討論をいたします。


 まず、請願第2号でありますけれども、請願の要旨は、移管前の年齢別定員数を必ず維持した上で、さらに、待機児童の解消のために、年齢別定員数の増加に尽力してほしいというものであります。


 次に、請願第3号の要旨は、茨木市立保育所民営化移管法人募集要領等で義務づけられた移管条件及び三者協議会等で合意された保育内容が遵守されない場合、市が法人に対し積極的に指導し、合意内容の実現に向け、最大限の努力を求めるものであります。


 次に、請願第4号の要旨は、茨木市立保育所民営化移管法人募集要領における、現に茨木市内に法人本部を設置し、茨木市内で社会福祉法第2条に定める社会福祉事業を営む社会福祉法人であることとの移管法人の応募資格・条件について、当該法人設置場所に茨木市に隣接する市を含むように、茨木市に働きかけることであります。


 また、請願第5号の要旨は、茨木市立保育所民営化移管法人募集時に、移管法人の最低基準をあらかじめ設け、その最低基準を満たさない法人は移管法人としないように、茨木市立保育所民営化移管法人選考委員会、あるいは茨木市に働きかけることであります。
 私の立場は民営化反対でありますけれども、民営化の対象になっている保育所の保護者が上記の請願をされることについては、よく理解できるものであります。


 民営化された中条保育所で実施されました満足度調査の中で、移管後に保育士の配置状況、費用負担、園外保育、病気のときの対応について、保護者の不満が高まっていることを指摘いたしましたが、このようなことがあれば、なおさらのことであります。


 また、私は質疑の中で、障害児保育に対しても、障害児の保護者が従来以上の精神的な負担を覚えていることも申しあげました。さらに、直営の保育所に比べ、移管された保育所や民間保育所の状況把握が格段に低下することは、多くの皆さんがお認めになるのではないでしょうか。


 また、条例審査の中で、移管後の履行事項については、期限つきで、その後まで拘束すれば、引き受けた法人にとってのメリットがないとの答弁がありました。現行の保育水準維持は危ういと判断せざるを得ません。


 今回、請願された保護者も、委員会の趣旨説明で、「私たちは、必ずしも保育所民営化に賛成ではございません。昨年6月に、郡山保育所で実施いたしましたアンケート結果でも、保育所民営化に無条件で賛成と答えた保護者はわずか4%しかおりません」と述べられております。

 しかし、保育所民営化が進捗しており、民営化後の保育のあり方を考えることなく民営化反対を強硬に推し進めることは、子どもたちの利益につながらないと考え、保護者の意見を行政に取り入れていただき、よりよい民営化を茨木市とともに目指すことを主眼に活動を展開いたしてまいりました。これは、私たちの最大限の譲歩であり、苦渋の決断であると述べられ、出されてきましたのが今回の請願であります。


 市が民営化の対象にした保育所では、今回の郡山、松ケ本に限らず、どこの保育所でも、保護者が「なぜ、うちの保育所が」の戸惑いから始まり、情報を収集し、会議を幾度も開いて保護者間の意思疎通を図り、児童福祉課と協議し、また、その内容を保護者会で報告し、相談する。その繰り返しで多くの時間を割かれるなど、苦労を重ねております。その過程を経て、せめて現行水準の維持をと絞り込んだ請願内容であります。


 ぜひ議員各位のご賛同をお願いし、請願賛成の討論を終わります。 ありがとうございました。(拍手)