茨木市議会議員 山下けいきHP

水道条例の一部改正について反対の討論

 

 私は、今回提案されました水道条例の一部改正について、反対の立場から討論いたします。

 

 今回の改正内容の一つは、給水区域の変更であります。この点については何の異論もないことを、まず申しあげておきます。

 

  私が反対する主たる理由は、第8次拡張事業を途中変更して、来年から実施予定の第9次拡張事業の水需要の予測についてであります。市が示した計画案は、端的に言って、実績を無視した過大な水需要に基づき、今後の不要なダム開発につながるものと指摘せざるを得ません。小泉大不況で倒産、失業が相次ぎ、雇用や老後の不安が市民を取り巻いている中で、水道料金の値上げにつながる過大な水資源開発は、到底市民の理解を得られるものではありません。

 

 過大な水資源開発の中心をなすダム開発が、水道料金の値上げだけではなく、川に生きる人々の生活を奪い、貴重な生態系の破壊を生んでいる事例にいとまがないことは、議員諸氏、市民の共通認識と言っても過言ではありません。その最たるものが長良川河口堰であり、先日、地元民の反対を押し切って、国が強制収用の手続に入った熊本県球磨川水系の川辺川ダムの建設であります。政官財の癒着構造によって、全国で必要のないダム計画がひしめていることに、私は暗たんたる思いにかられるものであります。

 

  これは、大阪府もまた同じであります。本会議の中で指摘したように、大阪府は、水道料金の値上げの際は水需要の低迷を理由に、ダム開発のためには過大な水需要を根拠にしています。そのために、本市の安威川ダムにとどまらず、滋賀や和歌山の他県においても、ダムによる水源確保のために多大な税金を投入しようとしています。

 

  本市における供給実績は、市民の節水意識、事業者のコスト意識の高まりによって年々減少しています。そのことは、過去3年間の推移にもあらわれています。1998年と2000年の比較において、人口がふえているにもかかわらず、1人1日最大給水量の場合で445リットルから417リットルに、1日最大給水量で11万5,000立方メートルから10万8,000立方メートルに減少しています。この傾向は、さらに強まることはあっても逆転することはあり得ません。

 

  ところが、9拡では、この傾向とは正反対に、2000年と9拡最終年度で、人口6.5%の増に対し、1人1日最大給水量の場合で15%の増、また、1日最大給水量は22%の増を見込んでいます。市が答弁したように、水道料金値上げと、拡張事業における目的や算定方式が重なり、水需要予測そのものが異なっていることは理解ができます。また、国の算定式に従う以上、過大な見積もりになることも必定であります。しかし、国の過大な水需要予測や開発志向に対し、いつまでも追随することは、もう改めていくべきではないでしょうか。また、大阪府や国に、過大な水需要の見直しを求める積極的姿勢も、今、求められているのではないでしょうか。

 

  答弁で、安全な水を安定的に供給する責務があると述べています。本市の自己水源は、年々減少し、2005年には10%に落ち込むと予想されています。市は、やがて放棄する方向にあると聞いていますが、安全な水を安定的に供給する責務からも、異常渇水への対応としても、自己水源の確保に努められるよう要望するものであります。  そのことを最後に申しあげ、また、議員各位のご賛同をお願いいたしまして、反対討論といたします。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)