茨木市議会議員 山下けいきHP

 

「沢良宜野々宮線」の環境アセスメントの

実施などを求める請願に賛成の討論

 

  私は請願第2号 都市計画道路「沢良宜野々宮線」の環境アセスメントの実施などを求める請願に、賛成者を代表して討論を行います。

 

 本請願の1点目は、住民合意の下での、環境アセスメントの実施を求めるものであります。本請願の2点目は、ルート変更など、代替え案の検討を早急に行ない、住民の理解を得られるまでの、本事業の休止を求めるものであります。

 

 私はなぜ、この請願が出てきたのか、その背景に対する、議員の皆さんのご理解を頂きたいと思います。請願者が述べられておられるように、美沢地域は今でも深刻な公害に悩まされております。

 

 中でも騒音は本市発行の、「公害の現状と対策」で明らかなように、夜間の環境保全目標の50デシベルに対して、73デシベルと市内での最高値を示しています。また二酸化窒素濃度も、南部地区20PPB以上と、中央部や北部地区に比べ、10PPB以上上回る結果が出ています。当然排気ガス、振動の公害にも深刻なものがあります。このことは、先日の委員会審議でも明らかなように、美沢地区を通過している中央環状線が、本市でもっとも交通量の多いことに、起因しているものです。1日に通過する自動車台数は、推定6万2676台にも上り、平日12時間の混雑度は2.03となっています。1.75以上は慢性的混雑状態にあるとされていることから、その混雑度は想像に余るものがあります。

 

 現在でも、受忍の範囲を大きく超えている中で、住民の方がこれ以上の騒音、排気ガス、振動が予測される、都市計画道路「沢良宜野々宮線」に反対されるのは当然のことであります。

 

 またこの都市計画道路が、美沢団地を分断すれば、児童や高齢者など、弱者を危険に陥れることも、想像に難くありません。また良好な地域コミュニティの破壊をもたらすことも、火を見るよりも明らかです。

 

 1点目の環境アセスメントの実施について、市は大阪府の環境影響評価の基準に基づくとの、見解を示されていますが、これだけの環境悪化がすでに存在しており、また新たな環境破壊が予測される事業である以上、当然実施すべきものと私は考えます。

 

  また2点目についても、計画から35年余りが経過し、計画時と比べ周辺の交通事情も、道路に対する市民の意識も、大きく変化しています。住民も便利さよりも環境を重視する時代に生きているのではないでしょうか。

 

 当該の美沢地区だけではなく、周辺の自治会にもこの請願に対する理解と協力が進んでいることはそのことを示すものであります。

 

  計画があることを知って、入居したのだから、反対するのはおかしいという意見もあります。しかし計画があることを知っていることと、それを認めることとは、同じではありません。また反対しないことを前提に、入居したわけでもありません。中には計画を知らないままに、入居した人が多数いることも事実です。住民が、自らの生活を守るために、これ以上の環境破壊に歯止めをかけたいと願うのは、無理からぬことであり、けして住民のエゴではありません。

 

 全国では、公共事業のあり方が、その目的や効果に疑問をもたれ、また環境の破壊につながるとの批判の中で、中止や見直しを迫られている事例が、続出しています。決定したから、計画どおりにやるというのではなく、そこに住んでいる住民の理解を得る努力が、行政には求められると私は考えます。

 

  この請願の成功に向け、住民の方々がたびたび議会に対し、協力要請を行なってきたことは、議員ご承知の通りであります。請願の内容も議会の意見を聞いて、いくたびか修正したものであります。ぜひ議員各位のご賛同をお願いして、請願賛成の討論を終わります。