茨木市議会議員 山下けいきHP

 

 

  茨木市パートタイマー等退職金・福祉共済ふれあい条例制定 で、

賛成の討論

1985年12月

お許しをいただきまして、日本社会党市議会議員団を代表し、議案第66号、茨木市パートタイマー等退職金・福祉共済ふれあい条例の制定について、原案賛成の立場から討論を行うものであります。 

      

 いまパートで働く労働者は、北摂7市で約9万人、本市でも1万3、000人余り、そのうち女子パート数は1万人を超えると言われております。パート労働は雇用者、労働者双方の要求に沿った就業形態でありますが、その労働条件は常用労働者と比較して、大きい格差が存在をいたしております。中には最低賃金や労働基準法以下で働かされ、退職金や福利厚生はほとんどない状況になっております。本来、労働者の賃金や労働条件は労使間で決められるべきでありますが、現在の労働法規は常用労働者を対象といたしております。

 

 また、パート労働者はほとんど組合に組織されておらず、単に労使の交渉にのみ解決をゆだねることについては、無理だと考えられます。このようにパートタイマー等の労働問題はすぐれて社会的なものであり、国や府において法的、制度的保障が必要であり、また昨今のパート労働者の急増傾向を見るとき、その対策は早急になされるべきだと考えられます。

 

 ところが、その対応は遅々として進んでいないのが実態であります。今回9、682名の有効署名を添えて、直接請求された本条例案は、当面要望が強く、かつ実現可能な制度として退職金福祉共済制度を求めているものであります。また、本年3月には隣接の摂津市でも同様の条例が市議会で満場一致で可決をされ、パート労働者から喜ばれております。

                   

 市長は今回の直接請求に対し、パートタイマー労働者が置かれている労働条件が不十分であること、また未組織労働者に対する福祉増進などを中心とする労働問題が、自治体行政として欠かすことのできない大切な課題であるというふうに述べられております。

 しかしながら、本条例案について即条例化することについては、消極的な判断に立たざるを得ないものとし、これにかわるものとして、直接請求の趣旨をくみ取り、特退共の充足、改善や福祉共済についても何らかの制度化が必要であり、努力すると述べられております。

 

 私は、市の未組織労働者に対する今回の対応については、一定の前進であり、評価するものでありますけれども、さきほどの質疑の中でも明らかにされたように、特退共のこの制度は根拠法令に基づかない制度であることも含め、条例に比べ、行政責任があいまいになること、またあくまで常用労働者が対象とされていることや、退職金の額につきましても、条例案に比べ、勤続8年まで低いこと、さらに連絡調整に一定の期間を要することなど、条例案に比較しますと、幾つかの問題点があるものと考えられます。

 

 今回、短期間に約1万名もの署名が集まったこと、また、この条例がパートタイマーであるがゆえに、何年働いても退職金や慶弔金もなく、さらに身分保障もない労働者に働く希望を与え、パート労働者やその大多数を占める婦人の社会的地位向上のきっかけをつくることにおいて、多大な貢献が期待されるものであります。また、本市の労働、福祉、行政にとっても、市内事業所の雇用安定対策としても意義あるものと考えます。

 

 以上の意見を申し上げ、茨木市パートタイマー等退職金・祉共済ふれあい条例についての賛成討論といたします。議員各位の、ご賛同を心からお願い申し上げまして、私の討論を終わります。ご清聴どうもありがとうございました。