2003年

安威川ダム特別委員会(7月30日)

○山下委員 安威川ダムの、要するに利水に関してお聞きをしたいというふうに思うんですけれども。

 利水については、日量7万トンということで、ずっと説明がされてまいりました。昨年12月ですか、大阪府の水道事業の将来構想、素案というふうになっておりますけれども、これが出てまいりまして、大分変更が出てきていると。その中身は何かというと、一つは、大阪臨海工業用の水道、これが日量で言いますと12万トンですね。これが要するに工業用水道から上水に転換をされると。これは大阪府の上水として使われると、こういうことですけれども、これが12万トン。

 それからもう一つは、大阪府営の工業用の水ですね。これが素案によりますと、25万トン、上水として使われるということで、これ二つあわせますと37万トン、新たな上水が確保されるというのが、この素案の中で示されているわけです。

 こういったことになりますと、現在、大阪府が淀川水系で参画している水資源の開発計画は丹生ダムとか大戸川ダム、それから先ほどの本市の安威川ダムと、この三つがありまして、三つのダムで確保しようとしているのが32万5,000トンということで、二つのものが上水に転換されますと、十二分に、現在開発予定のダムの分を上回ってやってくるという状況になるわけですけれども。

 本市の日量7万トンの状況について、こういった大阪府の素案が出てくる中で、7万トンに対する見直しですね、これは大阪府のほうは一切ないというふうに言っているのかですね。

 私は要するに、ダムというのは、先ほども議論がありましたように、大変な事業費を使うわけですね。そういった中で、既に7万トンの水を安威川ダムで確保する、しないというような次元じゃなくて、十二分に見直しの中でやられるという状況になっているというふうに思うんですけどね。茨木市としては、こういった素案が示される中で、安威川ダムの水利の7万トンについて、どういうふうに考えているのか、ちょっとそこら辺をお聞きをしたいというふうに思うんですけれども。

○山本建設部長 利水に関しまして、安威川ダムは、一応、日量7万トンの利水計画になっておりますが、大阪府のほうの考え方は、利水は第一目的なんですが、水源の確保ということもあるわけでございまして、淀川に頼っているというのが現状ですから、自主水源というのが大阪府の水道のほうでは非常に大きな事業の目的になっておるというふうに聞いております。

 工業用水の水利権の見直しということは、今盛んに議論されておりまして、府の水道のほうでも、これは当然、一番関心をもって議論されているところだというふうに我々聞いておりますが、さりとて、それについて茨木市がどうだということになりましても、これは府営水道の話でありますので、我々としては、当然、7万トンということで進めてきたという経過がありますし、また行政責任もそこに生じてきているものというふうに考えておりますので、ダムの規模とかそういうものに関係した中で、やはり7万トンというものは、何としても進めていただきたいというふうに理解はしてるんですが。


○山下委員 大阪府の自主水源ということで、ダムで1日7万トンの水を確保すると、こういうことですけどね。要するに大阪府自体が大変な赤字を抱えてるというのはご承知のとおりですけれども、それにあわせて、そういった状況の中で、これだけの開発計画をやられるということについては、これは府民、市民ですね、やっぱりおかしいのではないかなと思うんですね。ましてやこれだけの37万トンの新たな工業用水からの転換ということが、素案の中ではっきりうたわれて、しかも予算化もされるんですね。ことしの予算の中で、転用に当たって大阪府が負担する60億円というのが、既に今年度の予算に計上されているというふうにも聞いてるわけですけどね。そういった中でも、方向性もはっきりしているし、具体的な予算もついてるというふうになってきますと、ただでさえ水余りで大変な状況なのに、新たな工業用水も上水に転換されるということになってまいりますと、これは大阪府の水というのはどうなっていくのかなと、要らん水ばっかりになっていくんじゃないかなと。

 その一つとして、幾ら自主水源やというふうに言ったとしても、これでやっぱり納得せえというのは、私は無理なんじゃないかなというふう思うんですけどね。私はこの7万トンというのは、ダム規模にも大きくかかわってくるし、規模が大きくなればなるだけ、全体的に費用がかさんでいくというのは、これは理の当然やというふうに、私は思うんですけれども。ダム規模にかかわって、また費用にも大きくかかわる問題ですので、本市として、この7万トンをどうしても確保せんとあかんという現在の状況をそのまま肯定していくということでなくて、やっぱりこういった新たな状況を踏まえて、見直し、検討をすべきやということで、やっぱり大阪府のほうに言うべきじゃないかというふうに思いますけども、改めてそういった考え方があるのか、ないのか、ぜひお聞きをしたいと思いますけども、いかがでしょうか。

○山本建設部長 市として、7万トンの規模が妥当かどうかということについて判断して、府のほうに物申せという内容でございますけれども、私どもは大阪府のほうから聞いておりますのは、あくまでも、7万トンという規模はもちろんでございますけれども、自主水源の確保ということが非常に大きいんだということで、これは何としても、その規模を確保したいというふうな説明を聞いております。

 我々としては、やはり浄水場規模とか、ダムの規模とか、これはやっぱり地元に対して従来そういうことでお願いして、その話で計画はずっと進めてきたと。

 これは例えで非常に恐縮ですが、電力需要につきましても、関東のほうではえらい夏は逼迫すると。それが今は原子力の発電の検査の関係で停止しているから需要が逼迫するということで、再開するについて、地元自治体の同意が得られれば、検査が完了して、安全性を確保できれば、発電できるわけですが。事ほどさように、やはりこういう大きなものにつきましては、さあ足らんから、それなら改めてつくろうかと言うても、やっぱり10年、20年、スパンが少なくともかかってくると。だからやはり当面の議論としてはあると思うんですが、長いスパンで物を考えていくことも必要じゃないかというふうに私どもは理解しているところでございます。

 以上でございます。

○山下委員 余り議論する気はありませんけど、長いスパン、長いスパンて確かに30年、50年の間には水が足らへん、あるいは雨が全く降らへんというふうなことがあるかもしれませんけどね。物事はやっぱり費用対効果の問題も当然あるわけでして、50年、100年のことを考えて、大きなものをつくれという議論というのは、私は今の状況の中ではなじまないのではないかと。

 当然、水というのは、きょう、あす、どうこうということじゃありませんし、これは十分対応できるし、あるいは節水をしていくということも当然ありますし、言うているのは、大阪府全体の水の需要と供給との関係ですね。しかもそれにかかわって膨大な財政支出が伴ってくるということですからね。そういった全体的な状況の中で、それなら茨木市のダムの7万トンというのはどうなのかということですから、それは一般市民の常識に沿った線で、やっぱり検討していくべきやというふうに私は思いますので、そういった議論があるということも含めて、ぜひ大阪府に再検討をお願いして終わりたいと思います。