1999年

安威川ダム特別委員会 7月12日

●山下委員 6月29日、30日の大雨ですけれども、現在、安威川を見ておりますと、状況が一変しているということですね。私もきのう、安威川の上流から下流のほうをずっと見てまいりましたけれども、従来の景観と異なっているということで、あそこを歩いている人も、大雨によって安威川が「えらい変わっているな」ということやったんです。

 それで、一番変わっておりますのは、太田中学校のところの河川敷なんですけれども。あそこは当然いろんな方が歩いていらっしゃるんですが、そこがもう完全に歩けないと。上のほうの堤でないと歩けない。要するに、従来河川敷で歩いていたところが川になっているという状況が見られます。それから、オークタウン、橋の内の周辺ですけれども。ここら辺は芝生がずっとあったわけですけれども、そういったものが一切隠れて砂に埋もれてしまっているということで、ここも大きく景観が変わっております。牟礼神社のところもそうですね。

 要するに、大変な土砂が上流のほうから流れてきたんだなというふうに、私は思うわけですけれども。こうなってまいりますと、従来から言われているダム計画による堆砂容量の160万立米という値は、本当に適切なのかどうかということで、私はまた疑っているわけです。現時点でよくわかりませんけれども、あの砂というのは一体どこからどういうふうに流れて、安威川がああいうふうになったのかということについての調査というのが、私はやっぱり要るんじゃないかというふうに思いますけれども、その点についての考え方をお聞きしたいというふうに思います。

 それからもう1点ですけれども。安威川ダム事業につきましては、実施するのかどうかということで、大阪府が再評価委員会というのをやられて、その結果も既に出ているわけですけれども。要するに水需要の問題ですね。国のほうもいろいろと、水需要に関する今後の見通しみたいな形でやっているわけです。

 先般、安威川ダムニュースの中で、これまでの実際の水需要の値、それから今後の予想値という形でグラフが出されて、今手元にないので、きっちりしたことは言えませんけれども、要するに実際の水需要の動きと今後の推定については、非常に乖離があると。実際の予想値でずっといきますと、そんなに上に行かない、右肩上がりというふうにはならない。ところが、実際はそういうふうになっていて、意図的にああいったグラフを作成したというふうに、私は思っているんですけれども、あのグラフは、ああいう形であらわすということが、本当に適切なのかどうかということについての見解をお伺いしたいと思います。

 以上です

○江原ダム対策課参事 今回の降雨により、流送土砂が流れて、従来河川敷であったところも砂で埋まっているということでございますが、それに対して安威川ダムの堆砂容量は大丈夫であるかというご指摘でございます。

 今回の降雨による推定土砂量等につきましては、まだ大阪府のほうの調査あるいは数字というものは把握しておりませんし、恐らく大阪府もまだそこまではできていないだろうとは思うんですが。安威川ダムの計画堆砂容量と申しますのは、上流域における採石場からの流送土砂等につきましても、考慮に入れておりますので、そのような計画に基づいて堆砂容量を決定しておると。一応そういう状況報告にかえさせていただきたいと思います。

 それと、2点目の、大阪府の水需要にかかわるご質問だったと思いますが、これも状況報告だけ申し上げさせていただきます。

 現在の安威川ダムに係る水需要の考え方は、平成2年度及び平成7年度の府営水道の実績及び今後の人口の伸びから、平成17年度、22年度を推定したものであるというふうに認識しておりますが、現在、私どもが把握しております数字が、平成9年度のものが最新でございまして、平成7年度の1日当たりの最大給水量の実績196万トンに対しまして、平成9年度におきましては203万トンに増加しております。

 以上、ご報告という形で答弁させていただきます。


山下委員 堆砂の問題については、一番最初に出てきたのが110万立米ということですね。その後で見直しがされまして、160万立米という形で、堆砂容量が従来より多く見積もられるという状況になったと思います。私は、今回の雨というのはそんなに大した雨ではなかったような感じがするわけです。そういった雨でも安威川の景観が一変するような状況が出ているというふうになってまいりますと、上のほうにある−今までの関係で言いますと、いろんなものがありますけれども−そういったものを全部考慮して出した数字ということになるのかどうかという感じですね。従来の採石場の上流、亀岡と本市域と、8カ所に採石場があって、そこから土砂が流出するということについて十分計算して、現時点では160万立米だと、こういうことですけれども、それ以降、山のほうの開発も含めて、いろんな形で堆砂が増大する状況というのができているのではないかなというふうに思うんですね。ですから、160万立米ということがどうしても動かしようのない数字だというふうには、私は思っていないんです。

 今回のああいった状況であれだけというふうになりましたら、今後、やっぱり周辺の開発が進んでいく、あるいはダムの建設に向けて、新しい道路やとか、いろんな形で進んでいくと、ますます安威川の中に砂が流入する状況というのが出てくると思うんですね。そういう点で言いますと、私は、160万立米ということについては、やはり少なく見積もり過ぎているのではないかなという気がするんです。今回の状況からして、一体どういう形で、あの砂がああいったところにドッと流れてきたのかということについては、やっぱり調査する必要があると思うんですね。その上で、堆砂容量が160万立米というのが適切なのかどうかということで、再度この点についてはお願いしておきたいというふうに思います。

 それから、水需要の問題については、あんまり時間もありませんので、あれですけれども。国も、従来の方向を若干変えて、水需要については伸びが抑えられていくという動きになっています。そういった中で、大阪府だけが水需要の今後の伸びということについて、従来と全く変わらないような見解を示していると。府の見解を見ましたけれども、見直しの中でも、要するに、安威川ダムを計画の中に入れているのは、大阪府の自己水源としては安威川ダムしかないということで、ダムによる水源の確保ということになっているように、私は思っているんです。その根拠づけみたいなやつを見ても、グラフにしても、一般の感覚から言いますと、あの線の伸びというか、グラフの描きようというのは、あくまでも大阪府のそういった見解に沿って、意図的に事実と異なったグラフにしているというふうに思っていますので、その点だけ一応指摘して、終わりたいと思います。

○南企画部長 ダムの計画の中におきます堆砂計画について、今回、安威川河川敷に砂が多くあると、それの調査も含めて、ということでございますが。

 当初のダムの計画の中には、先ほどご指摘もございましたような、上流部の採石場のそういう土砂も十分計算に入っているということで聞いております。しかし、今回の安威川河川敷に流れてきた砂等について、今回どういうような状況であったのかということについては、市として、大阪府の河川管理者のほうへ聞いてみたいというふうに思っております。

 それから、水道水のことでの質問がございましたが。

 これにつきましては、当初ご指摘がございましたように、大阪府の再評価委員会の中でも、平成22年までの水需要の伸びということで、表等も出して審議をされたという過程もございまして、市として、大阪府の出した資料についてはそのような内容であったと聞いておる段階でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。