茨木市議会議員 山下けいきHP

 

2005年3月 本会議代表質問

 

とりあえずの原稿です

 

 市長は、市政運営の所信の中で「今日、わが国では、国、地方を通じた財政の危機的状況が続く中で、構造改革への取り組みなど責任を持って次世代に引き継ぐことのできる、持続可能な社会の構築が模索されています」と述べています。

「持続可能な社会」という言葉は、もともと環境問題で用いられたものであります。「地球環境に負荷をかけない」という意味であり、「大量生産・大量消費をやめる」ことや、「成長、拡大を前提とする従来型の社会システムからの脱却」もそこには含まれています。市長はこのような認識の下で、「持続可能な社会」を使っているでしょうか。

 

 もし、含んでいないのであれば、「持続可能な社会」とはどのような社会なのか、見解をお聞きしたいと思います。さらに、「持続可能な社会」に向かうために、どのような改革が必要だと考えているのかお示し願いたいと思います。

 

 「今日、わが国では責任を持って模索されています」と述べているわけですが、これは現在の小泉政権が「構造改革への取り組みなど責任を持って模索されています」という市長の認識かと思われます。

 しかし今の政府のどこに責任感が存在しているでしょうか。政治の最高責任者は自らの年金疑惑を問われて、「人生いろいろ、会社もいろいろ」と言い放ち、「約束を守れなかったのはたいしたことではない」と公約を翻し、非戦闘地域を問われて「分かるわけがない」と他人事の答弁を行い、まったく説明責任を果たしておりません。

 

 先月22日、厚生労働省と社会保険庁は、国民年金の保険料を2年間まったく払っていない未納者が、2003年3月で445万人に達し、2年間で120万人近く増えたことを明らかにしました。

 

 財政赤字カウンタによれば国と地方を合わせた借金は975兆円。橋本内閣時代までは、毎年30兆円台だった国債は小渕内閣で80兆円に急膨張。森内閣で92兆円へ拡大し、小泉内閣でついに100兆円の大台に乗せ、3年間で334兆円も乱発、国債発行残高は国と地方を合わせて774兆円。1990年に60兆円あった税収は現在40兆円。15年間で20兆円の減収となっています。

 

 東証1部上場企業の決算は、3期連続の増益、2期連続の過去最高益の見通し で、企業の梼窓燉]剰狽ヘ、1930年代以来の高水準。一方労働者の取り分を示す労働分配率は、61.5%とバブル崩壊後の最低水準となり、実際、賃金は4年連続ダウンと報道されています。銀行と大企業ばかり優遇し赤字国債を積み上げたあげく、そのツケを大増税で国民に押し付けようというのが今の政治ではないでしょうか。

 

 年金や借金だけではありません。自殺者は98年から連続して3万人の大台に上ったままです。失業者は史上最悪の水準のまま、不安定なフリーター、派遣・契約、パートの労働者は増える一方、また就職意欲がなく働かない、「ニート(NEET=無業者)」と呼ばれる若者たちも2003年で10年前の約1、6倍の63万人に急増しています。生活保護受給者は100万世帯の大台に乗り、ホームレス、倒産も最高水準。このような社会経済状況の中で国民の精神状況も疲弊し、精神疾患・鬱病患者、ひきこもりも増加の一途をたどっています。

 

 この間、政府が進めてきた改革は状況を改善するどころか、火に油を注ぎ、更に悪化させたように思えます。ごくごく一部の勝ち組は別にして、圧倒的多くの国民にとっては「苛政は虎よりも猛し」と感じている社会経済状況ではないでしょうか。

 

「持続可能な社会」に向かうどころか、まさに崩壊の一途をたどり、しかもそのスピードを速めているのではないでしょうか。「構造改革への取り組みなど責任を持って次世代に引き継ぐことのできる、持続可能な社会の構築が模索されています」という市長の認識は、まさに市民の苦しみに目を閉ざし、現実から逃避するものであり、自治体の長としては問題ある認識だと考えますが、何を持ってこれだけの幻想を抱かれているのか明らかにされたいと思います。

 

 次に「行財政運営について」であります。

市長は「新たな行政改革指針の策定に取り組むとともに、行政評価の段階的な実施と業務改善を進める」と述べていますが、具体的なスケジュールはどうなっているのか。また行財政改革には外部の監査機関などの意見もいれるのか。新しい視点での見直し、改革が必要だと思いますがどうでしょうか。見解をお聞きしたいと思います。

 

 次に機構整備についてお伺いします。

 今回「児童福祉課 子育て支援係」を「子育て支援課 支援係」とする案が提案されていますが、業務はどのように変わるのか。子どもに関連する個々の担当課の枠を超えて、子どもに関わる全ての行政相談の窓口になるよう機能を強化してほしいとの市民の要望に応えるものになるのかお伺いします。


 ホームページの充実については「防災や施設の情報を提供する」とあります。しかし市民の役所での手続きを考えた場合、人生の場面、場面に応じた手続き、たとえば成人・結婚・妊娠・出産・離婚・転居・家族の不幸などの項目づくりを考えていけば、市民にとっても「こんなときはこんな手続きをすればよい」とわかりやすくなると思います。今後こういった点も改善すべきだと思いますがいかがでしょうか。


 また、各種申請書のダウンロードの追加は考えていないのでしょうか。保育所の入所申請書などもぜひダウンロードできるようにしていただきたいと思いますがどうでしょうか。

 

 人事行政についてであります。毎回「適材適所の職員配置と少数精鋭主義の徹底」が謳われています。「少数精鋭」とはいったい何なのか。広辞苑によれば精鋭とは「えり抜かれていて鋭いこと、特にえり抜きの強いもの」と説明しています。市の職員は競争で勝った強いものであり、少数精鋭集団のトップに立つ市長は超精鋭なのかもしれません。しかし「少数精鋭」の言葉を逆手に取れば、世の中は精鋭でない人が多数であります。「精鋭」を持ち上げることは障害をもった人、高齢者の人々を軽んじることにつながりはしないでしょうか。私は「少数精鋭」が大手を振る社会が住みやすい社会だとは思いません。この言葉には弱者に対する思いやりや「共に生きる」視点を感じることはできません。なぜこのような傲慢な言葉を自らもちいるのか、ご説明を願いたいと思います。また市長のいう少数精鋭は正規職員だけなのか、再任用職員、非常勤嘱託員、アルバイト全てを含んでのことなのかお聞きいたします。さらに本市職員の中で男女の比率について雇用形態別にお示しいただきたいと思います。

 

 昨年の議会答弁では正規職員が1895名、再任用職員48名、非常勤嘱託員172名、アルバイト801名とのことでした。また再任用を除いても身分の不安定な非正規の職員が3分の1を超しています。契約更新の際、基本的には再雇用するといった考えをもっているのかどうかお聞きします。また国保の集金に当たっている嘱託員をなくすといわれています。この点当事者の納得と了解を得ているのか、お伺いします。 またこれ以外にも嘱託員を減らしたり、無くしたりと言う部署があるのかどうかについてもお聞きいたします。

 

 パブリックコメント実施要綱について、これの主な内容、また実施するのはいつからか、市民への周知、庁内での研修についてどう考えているのか、お聞きします。

 

 次に国勢調査についてお伺いします。

 まず実施に至るスケジュール、密封封筒の使用はどうなっているのか。国勢調査の根拠法「統計法」が規定しているのは「人口に関する」調査であります。プライバシーにかかわる調査項目は必要最小限にすべきではないでしょうか。特に勤め先の名前・仕事の種類、部屋数や住宅の広さ、仕事や収入は不要と考えます。

 

 また市民団体からは「国勢調査は無記名とし、電話番号の記入を廃止すること。統計結果の利用目的が不明確なまま、罰則付の法律で強制的に行うことは国民感情としてなじまないこと。調査区番号、(調査)単位区番号、世帯番号は個人を特定する「国民背番号」であり、恒久的世帯番号を廃止すべきこと。郵送による回答や持参も積極的に認めること。調査結果の「目的外利用」、国勢調査統計データの販売についての明確に規定すること」など改善を求める声が上がっておりました。この点について今年度はどうなっているのか、お聞きします。

 特別職の退職金問題については削減するとのことで一定の評価をしますが、市長、助役にとどまらずなぜ全ての特別職を対象にしないのか。退職金について基本的な考えは持っているのか。持っているならばそれは何かお聞きいたします。また広報、ホームページにも公開し、市民の意見を聞くべきだと思いますが見解をお聞きします。

 

 次に本市は種々の行事の中に日の丸、君が代、市民憲章を式次第に組み込んでいます。日の丸、君が代の問題点については今日触れませんが、市民憲章を大の大人が鸚鵡返しに斉唱する姿は、異様そのものであり、そこに思想信条、個性といったものを踏み潰すものを私は感じます。式次第に沿って司会者が式進行する内容に参加者が違和感や抵抗を覚えても感じても外に現れる形で、それを表現することはきわめて勇気を必要とすることです。もし強制にならないというのなら、ぜひそれに従わないことを自らやった上で言っていただきたいと私は思っています。今、教育基本法を改悪し、ものを考える一部のエリート、その他の従順でものを考えない多数の市民づくりがやられようとしています。しかし行政が市民に何事であれ強制することは民主主義と相容れないものです。また他市と比較しても突出しています。ぜひ止めていく方向で検討されたいと思いますがご見解をお聞きしたいと思います。 

 

 難解な行政用語の改善についてお聞きいたします。本市では「用語集」をつくり、難しい言葉、外来語、役所言葉、片仮名文字をできるだけ用いないように職員教育の中で取り組んでおり、評価するものであります。前市長は「親しみを持てる文書づくりは行政サービスの一つであり、市役所の文書は市民との架け橋となるものである。今後とも、用語や表現の改善を図り、わかりやすい、親しみの持てる文書づくりを心がけたい」と答弁していました。

 

 しかし、今回の施政方針を見ましても、「自律的な都市経営」、パブリックコメント、タウンマネージメント、バイオマスといった言葉が用いられており、「わかりやすい、親しみの持てる」ものとはいえません。

 

 また幹部職員の挨拶や次第書きにも役所言葉がまだまだ見受けられます。中学生 から高齢者まで、行政への理解を深められるように、全庁的に用語や表現について工夫や改善が日常的に必要だと考えますが、いかがでしょうか。

 

保健・医療・福祉・人権について

 障害者福祉については第3次の長期計画を策定するとあります。策定にいたるまでのスケジュールはどうなっているのか。関係団体との協議は進んでいるのか。また障害者就業・生活支援準備センター事業の内容についてもお伺いします。

 

 また施政方針では福祉作業所の法人格取得に対する補助制度の創設、授産施設、福祉作業所などへの運営に対する助成の継続、地域における自立生活への支援を行うとあり、これについては大いに評価するものであります。

 

 しかし、今、国においては、昨年10月の社会保障審議会に、「今後の障害保健福祉計画について〜改革のグランドデザイン案」を発表しています。しかしこの内容はこれまでの障害者福祉施策を大きく後退させるものであり、関係者からも大きな批判を呼んでいます。

 

 その1点目はいわゆる応益負担の導入です。「応益」とは、その行為によって特別の利益が発生することをさすものであります。障害やハンディが大きいほど支援や介護を必要とします。介護度が高く、そのための支援や介護がより多いとしても、軽度や健常者より恵まれ、特別の利益が得られるわけではありません。やっと普通の生活に近づくだけの事であります。「社会的介護を応益」と考えることは「社会福祉」「ノーマイゼーション」の考えから大きく逸脱するものと言わなければなりません。

 

 その2点目は施策の実施責任が財政的な裏づけがないままに市町村が負うことになるということです。地域生活支援事業が市町村によってどれぐらい実施されるか、その格差がますますひろがることが予想されます。本市としても従来の方向と大きく変わる制度については、公聴会を開いて十分当事者団体や自治体の意見を聞いて慎重に進めるように国に対して発言すべきだと考えますがいかがでしょうか。またグランドデザイン案についての見解、これまでの対応があればお示しいただきたいと思います。

 

同和問題について、市は基本的には何が問題だと考えているのか。今回3500人を対象者にこの同和を含んで女性、民族問題を含んだ市民意識調査を大阪府の調査と合わせ、実施するとのことです。具体的にはどのような内容になるのか。調査後はどう活かされるのか。具体的な施策につながっていくのかお聞きしたい。

 次に男女共同参画型社会の前進についてであります。市長は計画に基づく施策の推進をうたっています。全国の市区町村では男女共同参画型社会に関する条例が制定され、その数は昨年の3月時点において253の自治体となっています。本市において条例を制定する考えはあるのかお伺いします。

 

 また職員、教職員における幹部職員への登用、審議会などへの女性の参画は計画制定時と比べて進んでいるのか具体的に数字でお示していただきたいと思います。加えて、現況についてどのようにされているのかにいてもお聞きしたいと思います。

 

 性別にとらわれないで1人の人間として認識していく「ジェンダーフリー」という言葉に対して感情的な反発や攻撃を見受けることがありますが、本市での状況についてどのように認識されているのか。また市長は「ジェンダー」という言葉に対する感情的な反発についてどのような見解をお持ちかお伺いしたいと思います。

 

 西日本入管センターでは職員による暴力行為が繰り返され、狭い部屋、運動時間の制限、医療体制の不備といった劣悪な環境もそのままに放置され、基本的人権が守られていません。先日の新聞報道でも収容期間が長期化し、不眠症や胃腸炎など体調不良を訴える収容者が増加していると報道されていました。しかもいつセンターから出られるのか、まったくわからないままの状況があります。日本の入管行政は世界各国に比べて低位に位置しており、「こんな国だとは思わなかった」と日本のイメージは悪くなるばかり、まさに人権後進国の象徴になっています。あってはなりませんが問題が発生すればセンターに出向くだけではなく、本省に対しても強い態度で臨むべきだと考えますがいかがでしょうか。

 

 また本市域に住んでいる外国籍の方は約1%を占めています。これまで本市の各種審議会の委員に参加していただいたことがあるのか、どうか。また今後、積極的に呼びかけていく考えがあるのかお伺いしたい。また外国人市民の意見・提言を継続的に聞いていく体制を整えていくべきではないかと思いますがいかがでしょうか。

 

 次に平和についてであります。今回の施政方針演説の中では、平和についての記述がまったく見当たりません。なぜなくなってしまったのかお伺いします。市として平和を目指していく積極的な姿勢を期待するものですが、今年度の主な取り組みについてお聞きしたいと思います。

 

 国民保護法の中で地方公共団体は、対策をするための部署を作り、職員を配置する。また政府があらかじめたてた基本指針にもとづいて国民保護のための計画をたてる。ふだんから訓練を行わなければならないなどが盛り込まれています。この国民保護法への対応について現時点でどうなっているのか明らかにしていただきたいと思います。

 

地域経済の活性化、商工業と農林業の振興について

 

 次に農業についてであります。大阪府による農業特区申請が受理され、府全域が農業特区としてスタートします。特区となったことの本市への影響および取り組みについて、伺います。

 

 また地域で生産した農産物をその地域で食べてもらう「地産地消」に対しては、前年度からの「見山の郷」、朝市・青空市の販売活動支援を今年度も引き続いて行うことはもちろん、さらに地産地消を勧めるための、学校園、ならびに保育所での給食使用、市内商店での取り扱い拡大に力をそそぐべきだと考えますが、いかがでしょうか。市街地での田畑が毎年のように減少しています。農業の活性化のみならず、田畑の持つ公益的機能を考えるとき、積極的な対策をとるべきだと考えますがいかがでしょうか。

 

教育・文化・スポーツの振興について

 児童・生徒の安全対策についてお伺いいたします。
緊急情報を保護者等に周知するシステムについて、緊急情報は自然災害を含んだものかどうか、具体的にどのようなものを考えているのか明らかにされたい。またそのシステムの対象範囲は、幼稚園や中学校、保育所、留守家庭児童会も含まれるのかお示し願いたいと思います。また携帯電話でメールを使っての通報するとなれば、メールアドレスの収集、管理が必要となっていきます。このような個人情報の保護についてはどう考えているのか、また携帯を持たない、持っていない方への連絡はどう考えているのかもお伺いします。

 

 先日の朝日新聞に「送る言葉、迎える言葉」と題して自然科学者の山本義隆さんが「何のために勉強するのでしょうか」と問いかけ、「要するに自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。たったそれだけのことです。外国では、自己主張しない人間は単に不勉強で無能だと思われるべきです」と講演したことが載っておりました。このような考えをどう受け止めるのかお聞きしたいと思います。

 

 また学力向上に向けた取り組みを掲げていますが、学力低下の原因は何だと考えているのか。見解をお聞きしたいと思います。

 

 さらに研究指定校の今年度の内容について明らかにされたいと思います。また研究指定校については教職員の過重な負担になっているとも聞きます。指定校を決定するまでの経過、研究内容の決定、当該校の了解はどう進められているのかお聞きします。またその成果はどのように生かされているのかについてもお聞きします。

 

 教職員の評価・育成システムが導入されようとしています。日本の教育労働運動の中で、1956年の教育二法から1958年の勤務評定闘争、いわゆる勤評闘争はまさに世論を二分するものとなりました。石川達三の『人間の壁』はその間の学校現場と教師を描いたものですが、教職員の評価・育成システムは、まさにその勤務評定に他ならないものです。

 

 協力して取組んでいかなければならない教師間に競争を持ち込むことは、学校現場をギスギスしたものに変えていきます。これが児童生徒のためにならないことははっきりしています。また評価するのは校長ですが、個々の教員を評価することの困難さはいうまでもありません。評価が収入と結びつくことによって教員は校長を、校長は市教委を向いていくように仕向け、国の言いなりになる教育を目指すことが背景にあります。本市としてこの導入に反対すべきではないかと思いますが見解をお聞きしたいと思います。

 

 次に「教育用コンピュータと校内ネットワークを整備し情報教育の更なる推進を図る」と、コンピュータとインターネット万々歳、手放しで推進しているかのように思えます。コンピュータとインターネット社会がもたらしている犯罪、事件が相次いでいます。現実と仮想との混同、個性の確立、自我の形成ができていないままに膨大な情報にさらされる危険性。じっくりと考えることがマイナスとなり、速さが価値観となるなど、多くの問題点を抱えていますが、このようなことは十分関係者の中で議論されているのか。いないのか、お伺いします。

 

子どもへの施策充実と少子化対策について

 公立幼稚園の預かり保育のモデル事業について、預ける際の要件や休暇中の実施の有無、人員配置など具体的にどのように考えているのか、またこの事業による保育所の待機児童の減少をどのように考えているのかお示し願いたいと思います。


「公立保育所の効果的、効率的な保育所のあり方を定める」と述べています。まず保育行政における効果的、効率的とはどういうことなのかお伺いします。

 今「公立保育所のあり方に関する懇談会」などで議論されているのは「市の財政が苦しい」「公立にしかできないことはない。民間の力も活用しよう」と民営化ありきの議論です。

 

 茨木市では公立保育所18ヶ所、認可保育園が分園も含めて17ヶ所存在しており、公私それぞれの特性を生かした保育所運営を行っていると認識しています。

その中で行政の直営施設である公立保育所は、行政がこどもや家庭の状況を把握するための、あるいはこども施策を考えていくための重要な機関であると考えています。

 

 また学校園や大阪府の保健所、吹田にある子ども家庭センター、障害福祉センターハートフルなどと連携しながら、より豊かな保育、そして在宅児家庭の子育て支援を行っていく機能も期待できます。

 

 児童福祉法2条では「国および地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」と定めています。茨木市として改めて条文の精神に沿い、公立保育所の存在意義を再認識していただきたいと思いますがいかがでしょうか。お聞きいたします。

 

住みよい生活環境、安全・安心な街づくりについて

 

 国際文化公園・彩都、「ライフサイエンスパークへの企業立地も順調に進展しています」とありますが、バイオハザードの危険性について市民には何も知らされていません。改めて、この点についてお伺いします。

 

 広島大学教授であった芝田進午さんによれば19世紀末から最近までの約100年間、欧米諸国の病原体施設では発がんを除き判明しただけで5000件以上の感染事故があり、うち職員200人が死亡したと報告されています。

日本の予研、現在の感染研では、47年から72年まで80件の感染事故が発生し、60年に2回、80年代に3回も爆発・火災事故が発生し、89年から90年にかけて予研筑波霊長類センターでサルの大感染事故が発生しました。93年と95年、実験動物が施設以外で3回も発見され、94年には過去12年間の予研職員の在職・退職後死亡者の9割以上が発癌で死亡していた事実が判明しました。

 

 75年から82年にかけて、仙台、和歌山、新潟、札幌、神戸、大阪、愛媛、名古屋等の27施設で腎症候出血熱によって144人(うち1人死亡)の感染事故が発生しました。92年、東京女子医大実験動物施設で爆発事故があり、93年には、京大でラット多数と職員が、新潟大でラット多数が腎症候出血熱に感染しました。

 

 なお、本庄重男(感染研名誉所員)、新井秀雄(感染研主任研究官)の言明によれば、病原体実験施設では、ほとんどすべての職員がなんらかの感染事故を起こしていますが、それらは報告も記録もされていないとのことです。

 

 1994年(平成6年)3月に箕面市ライフサイエンス研究会がまとめたものがあります。各自治体の取組状況の中で、本市の環境保全課はバイオ系企業の研究所に対応する係りが今後必要になってくるだろうとの認識を示しています。

2001年の代表質問で市長は「バイオ等の先端技術は、医薬品の開発や食糧問題の解決など、人類の課題を克服する可能性を持った技術であり、その実験の安全を確保しながら研究を進めていくべきものと認識をいたしております」と答弁しています。

 

 バイオ系企業の研究所に対応する係はどうなっているのか、どこが対応するのか。また「実験の安全を確保」するために、これまで何をやってきたのか明らかにされたいと思います。

 

 安威川ダム計画については大阪府水道部が12月27日に発表した水需要予測については、1)一日最大給水量の予測値(216万?)の推計が恣意的であること、2)「渇水」にも対応すべきとして、トータルで231万?の水利権が必要としているのは極めて不当であること。3)昨年大阪府が「大阪臨海工水」買収により獲得した水利権13万?の上水への用途転用に触れていないこと、4)従って大阪府が安威川ダムも紀ノ川からの利水も必要としないことは明らかであること、5)最近の大阪府の丹生ダム・大戸川ダムからの撤退表明はあくまでも大阪府の一方的な都合に過ぎず、両ダム建設地の滋賀県への補償問題が発生するのだから、財政危機の大阪府が安威川ダムなどへの無駄な支出をしている場合ではない。といった考えが府民からも示されています。

 

 またダムによる治水がいまや時代遅れであることは再三指摘してきました。府の河川室も河川改修が進んだ今、現在の河川断面で67年の豪雨には対応できるとも言われています。改めてダムに頼らない治水のあり方を検討する考えはないか、お伺いします。

 

 次に自然災害被災者への支援対策についてお伺いします。

本市には災害弔慰金の支給に関する条例と災害見舞金に関する条例がありますが、死んだ場合、見舞金条例で10万円、災害弔慰金条例で最高500万円となっているが、生活再建の場合350万円の貸付しかありません。被災者生活再建支援法の最高額が300万円に引上げられましたが生活再建はなかなか難しい。しかも住宅の建設などには使えないために大きな問題となっています。市独自に現在350万円の貸付額を住宅の再建もできるように大幅に引き上げることについての見解をお聞きしたいと思います。

 

 次に「住宅用太陽光発電システムの設置に対する助成を拡充」とありますが、これまでの実績はどうなのか。目標は設定しているのか。市民への働きかけについても考えをお聞きします。

 

 市内の小型循環バスの運行については、生涯学習センターの竣工を契機に議会でもいろいろと提案されているところです。これまでの答弁では生涯学習センター等へ行く路線バスの増便はバス事業者のほうに要望していますが、市としては循環バスの検討はしていないとのことです。市内の公共施設への足にとどまらず、日常の生活の中で公共交通の果たす役割は極めて大きなものがあります。環境の面はもちろん、なんと言っても私的交通手段を持っていない高齢者などにとって公共交通はかけがえのないものです。私たちが視察に行った武蔵野市では市内循環バスは当たり前の風景となっており、市民生活に溶け込んでいます。経営についてもさまざまな努力を重ねる中で黒字になっています。ぜひ先進地に学んで実施に向けた取組みを期待するものでありますがご見解をお聞きしたいと思います。


 近年、市内ではマンション建設に伴う市民の不満が増加しています。このことを市が真摯に受け止め、対策を検討することが急務であると考えます。

まず、市民と市民の問題には市は中立の立場を貫くこと、地域住民への説明責任を果たすことを改めて確認してもらうとともに、紛争がもちあがった場合の調停機能を市が果たせるように検討を始めるなど、考えていく時期にきていると考えますがいかがでしょうか。

 

 本市の緑化推進についてお伺いします。

昨年末から都市の緑の保全、緑化を進め、美しい景観を求めて景観法、都市緑地法、屋外広告物に関する法のいわゆる「景観緑三法」が施行されています。この法律によって法的規制力に裏づけされた景観条例や景観計画が可能になり、市街化調整区域の農振農用地区域、都市計画区域外の田園地帯に対しても景観法制の適用がなされることになります。また市民活動に対しても支援する立場をとっており、緑と環境に取り組んでいる市民団体からは大きな期待が寄せられています。本市でもこの「景観緑三法」の施行を受けて積極的な取り組みを考えてはどうかと思いますが、現時点での認識についてお伺いします。