茨木市議会議員 山下けいきHP

 

ベトナム難民の日本での再起めざし、家族会結成

2005年6月17日 朝日新聞

 

 罪を犯して服役後、入国管理施設に収容された経験のあるベトナム難民約15人が、家族らと立ち直るきっかけをつくろうと、「ベトナム家族会」を19日、大阪で結成する。難民を生んだベトナム戦争が終わって今年で30年。定住の地と決めた日本で、失った信頼と在留資格を取り戻すことをめざす。

 家族会は、法務省西日本入国管理センター(大阪府茨木市)に収容後、仮放免された難民とその家族ら50人程度が参加する見込み。

 日本で8千人を超すベトナム難民は定住を認められている。だが難民として来日後、万引きや傷害など罪を犯した人は、刑務所に服役(1年以上)した後、入管法の規定で在留資格を失い、国外退去を命じられる。

 大半は刑務所出所と同時に入管センターへ収容され、本国への送還手続きを待つが、ベトナム政府は難民の永住帰国を受け入れないため、帰る国もないまま入管で長期間収容される人が相次いだ。仮放免されても在留資格がないため職に就けないなど苦境にあるという。

 家族会はまず、まじめに暮らす難民に迷惑をかけたことをわびた上で、月1回集まって再犯防止や他の難民が犯罪に走らないように力を合わせる。日本にもベトナムにも受け入れられぬ中ぶらりんの状態を訴え、法務省に特別に在留を認めてもらえることをめざす。  会を支援するカトリック門真教会の大海明敏神父(41)は元ベトナム難民で、3年前に日本国籍を取った。「過ちを償った後は日本社会の中で普通に働き、人間らしく暮らせるように立ち直る機会をつくりたい」と話す。