茨木市議会議員 山下けいきHP

 

 侵略の真摯な反省なしに美しい国はありえない

 

 拉致、核開発など事あるごとに政府関係者やマスコミによって朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)バッシングが行われています。この影響もあってか先日来られた新聞の拡張員さんが、1時間余りにわたって「北朝鮮は危ない、何をするか分からない国だ。愛国心は当然だし、日の丸・君が代に反対する日教組の先生はおかしい。南京大虐殺の死者の数字は間違っている」と主張。また90過ぎの年配の方からも「北朝鮮のミサイルが心配だ。なんとかなりませんか」といわれました。

 私とて拉致や核実験といった今の朝鮮民主主義人民共和国のありようは批判せざるをえません。しかし他国批判の前に、わが国政府が過去に行ってきた強制連行、従軍慰安婦、731部隊、といった数々の暴虐行為に目を塞ぎ、今もって真摯な反省と償いをしないことにも批判的であるべきです。また挑発行為というのであれば、憲法違反の自衛隊を世界有数の戦力(2002年ストックホルム国際平和研究所資料によれば軍事費で世界第2位、「北朝鮮」の35倍の軍事費)を持つまでに強化し、その名に反して海外派兵を本務とする軍隊に性格を変えることにも批判があって当然です。いつまでたっても被害者意識だけで、加害者としての意識が育たないこの国の未熟さには言葉を失います。

 「美しい日本」を標榜する首相の誕生で平和への努力よりも戦争志向が強まり、論理的に考えることすらせせら笑う危うい風潮が広がっているように思えます。

私たちの活動は、自国で生命の危険に脅かされたり、生活できなくなったりの事情で、日本に助けや活路を求めてこられた外国人がオーバースティなどで強制送還されるまでの収容施設で人間としての尊厳が守られるよう監視し、改善を求めていくものです。

 空っぽの歴史認識とアジア・アフリカの人たちへの偏見が傲慢な入管行政を生み、非人間的な取り扱いが常態となっているセンターで、私たちの活動によって少しでも収容者の処遇が改善され、人権後進国からの脱皮につながればと思っています。

 

入管考える会機関紙  2006/11