茨木市議会議員 山下けいきHP

 

 政治改悪反対 1994.1.21 朝日

 「まだ本会議がある」

 反対の市民ら各地で運動

 小政党や無所属議員に不利になる、との問題が指摘されている小選挙区制導入への批判を続けてきた市民グループなどは、改めて反対を訴えた。
 帰宅を急ぐ通勤客らで込み合うJR大阪駅前では、市民グループ「関西共同行動」のメンバー約10人が、法案に反対するビラをまいた。
 ビラを受け取る人は5人に1人。さらにそれに目を落とす人は半分にも満たない。それでも。「まだ本会議が残っています」という呼びかけが約1時間にわたって続いた。
 京都府綴喜郡田辺町で開かれていた「市民派議員交流・勉強会」。既成政党に属さない近畿の草の根地方議員と市民ら60数人が、都市開発や議会改革のついて話し合っている最中に、「委員会可決」のニュースが飛び込んだ。
 山下慶喜・大阪府茨木市議が「小選挙区制は少数意見、無所属議員を締め出す。この場で反対決議を出したい」と提案した。「交流会の趣旨となじまない」との理由で決議こそ見送られたが、多くの参加者から小選挙区制導入に反対する意見が相次いだ。
 岡山大学では、法学部の小畑隆資教授ら教員91人が、「大政党優位の制度で、少数意見を切り捨てる」との共同声明を発表した。声明文は参院本会議までに、法案に反対している社会党の国会議員にファクスで送られる。 
 弁護士や教員、主婦らでつくる市民団体「小選挙区制に反対する広島県実行委員会」のメンバーは、広島市中区のデパート前で、反対のビラ1000枚を配った。
 東京。政治腐敗の防止に熱心だった故三木武夫元首相の妻、睦子さんや、作家の田中康夫さん、評論家の佐高信さんら学者・文化人6人が参議院会館で記者会見した。田中さんは「食事で『とりあえずビール』というように、今は『とりあえす政治改革』だ。ブレーキを一人ひとり踏むことが必要だ」と話した。
 「並立制」が導入されると、小選挙区での議席確保が難しくなる共産党や同党系労組などの動きも目立った。
 労組や同党兵庫県委員会でつくる連絡会は20日朝、約30人の上京団を派遣。県選出参院議員の事務所を回って反対するよう要請した。大阪労連なども上京団約250人を派遣。京都では党や労組でこの日の採決に反対する批判声明を出した。
 和歌山市では同党県議らが街頭宣伝、党石川県委員会や県労連などの約80人が金沢市内で雪中の「緊急デモ」。中四国唯一の共産党代議士、山原健二郎氏の地元・高知市では、約100人が市役所前で「小選挙区制を廃案に」と訴えた。高松市でも党県委員会などが街頭でビラを配った。