茨木市議会議員 山下けいきHP

 

1995.2.22 読売   

 

直下に活断層ー防災面配慮を


 建設中の「国際文化公園都市」  

 大阪府「耐震強化し推進」


 大阪府や住宅・都市整備公団などが茨木、箕面両市にまたがる丘陵地に建設している複合都市「国際文化公園都市」で、活断層がモノレール高架駅や商業ビル予定地区の直下を走ることから、茨木市は、防災面に一層配慮した都市建設を府などに要望することを決めた。府は「活動は終息しており、耐震強化をすれぱ建設出来る」と計画見直しには否定的だが、研究者らは「終息したかどうかの判断は難しい」としている。

 国際文化公園都市は開発面積742ヘクタールに13000戸の住宅のほか、生命科学の研究施設や国際会議場などを造り、大学や研究機関を誘致。今年度から造成しており、2012年のの完成を目指している。
 活断層は、茨木市北部の馬場地区から高槻市萩谷にかけ北東に長さ8キロ延びる「馬場断層」。
 計画によると、同公園都市を東西に横断するモノレールと幅30メートルの府道が、この活断層に沿つて建設、商業ビルやホテルの集まる商業ゾーンと駅予定地区は断層の真上に設けられる。モノレールは大阪モノレールが万博記念公園駅から6.4キロ延伸。一日55000人の利用が見込まれている。
 二月臨時市議会で市議が「危険な活断層を避けて公共輸送機関や商業施設を造るべきだ」と指摘。市側は「70000年前から動いていない断層で既に終息していると専門家は見ている」としたうえで、山本末男市長が「震災の経験を受け国、府で今後の対応策が検討される。市としてより一層の安全な町づくりを行うよう申し入れたい」と答弁した。
 事業主体の府は「技術的にクリアできる」(中川達哉・府企画監兼国際文化公園都市建設推進協議会事務局長)としているが、建設に先立ち府が実施した環境影響評価調査では「地質調査を実施し、施工方法について関係機関と十分検討、協議し、安全性を確認すること」と事業推進前に同断層の調査を求めている。
 塩野清治・大阪市立大教授(地震学)の話
「活断層の終息の判断は難しい。安全と決めるには十分な調査で過去にどう動き、現在の活動状況はどうかを正確に知る必要がある」