茨木市議会議員 山下けいきHP

 

 PTA資料情報公開  1993.10.14

 PTA会費から公費支出        
                   
茨木市の中学 教委が改善約束

 各校決算書公開は拒む

 茨木市の中学校で、卒業証書の名前の記入を外注する費用や、学校要覧の印刷など本来、校費で負担すべき費用がPTA会費から支出されていたことがわかった。同市教委も事実を認め、改善を約束したが、この事実を指摘した市議が「他の学校でもあるはず」と9月初めに、市立の小中学校45校全部のPTAの決算書の情報公開を求めたところ、「公文書公開条例の対象外」と、公開を拒否した。
 公開を求めているのは、山下慶喜市議(40)。同市議は8月に、ある市立中学校の平成4年度のPTA会計決算報告書を入手した。それを見ると、「報償費」(約24万円)の備考欄に「卒業証書記入、卒業記念印章代」、「印刷・製本費」(約23万円)は「学校要覧、研究紀要、PTA規約、卒業式式次第」「保健費(約9万円)は「保健器具、機材購入」ーなどとあった。
 学校などに問い合わせてみると、学校要覧は、学校の沿革や校内配置図、教育目標などが書かれた一枚の紙。研究紀要は教師の研究用冊子で、保健費で購入されたものは、人体図と視力表だつた、という。
 同市議は「印章代やPTA規約印刷費を除いて、公費で負担すべきもの。とくに、卒業証書は、校長が卒業生の名前を一人一人書くべきではないか」と、9月の市議会文教人権委員会で追及。市教委は「学校教育にかかわる費用であり公費負担としたい」と答えた。
 しかし、卒業証書の名前の記入について、市教委指導課は「どれだけの学校で外注したかつかんでいない。校長の自筆が望ましいが、毛筆の苦手な人もいるし、人数の多い学校は一人で書くのは大変。外注を認めるべきか、校長の意見を聞きたい」としている。
 一方、PTA決算書の公開請求を受理しなかったことについて、社会教育課は「PTAは自主的に運営されている任意団体。校長や教員も公務としてではなく、一教員として個人参加している」とし、同市公文書公開条例が「対象文書」としている「職員が職務上取得し、決裁、供覧された文書」に当たらないとしている。
 これに対し、同市議は「PTAは学校施段を使い、教室で教員が会費を集めている。不受理は得できない」と反発している。