2005.3.15 朝日
「国鉄民営化で解雇は不当」
旧国鉄が分割・民営化された時にJRに採用されなかった北海道北見市の中野勇人さん(42)が、四国から東京までーカ月に及ぷ長距離マラソンをしながら、「不当解雇撤回」を訴えている。高知市を1日に出発、15日は大阪府吹田市のJR吹田駅前から京都に向かった。全行程1047`は、不採用となった1047人にちなんでいる。来月1日に東京にゴールの予定だ。
中野さんは81年、国鉄に就職。6年後に分割・民営化された時、中野さんら国鉄労働組合(国労)組合員を中心とする約7600人は、希望しながらもJRに不採用になった。
中野さんは「国労北見闘争団」に所属。02年には事業団を引き継いだ旧鉄建公団を相手取って解雇無効などを求めた訴訟を起こした。
しかし、活動の中で、JRへの不採用問題や国鉄の分割・民営化を知らない若い人が増えていることに危機感を抱いた。「伝えるには体を張って訴えるしかない」と長距離マラソン挑戦を決めた。「いまのリストラにも通じる話。できるだけ輪を広げたい」