茨木市議会議員 山下けいきHP]

 

日の丸強制反対 2002.3.11 アクト

 日の丸に抗議して            
国連旗持ち込んだら         

  大阪・茨木市議会議員に懲罰動議

 大阪府茨木市の議会が今、揺れている。議場に日の丸が掲揚されたのだ。大阪府内での議場への日の丸掲揚は、門真市と大東市で従来から行われていたが、国旗・国家法の施行により、大阪府議会で掲揚され、それが茨木に波及したかたちとなった。しかし、掲揚までの手続きやその後 の対応をめぐり茨木市議会は混乱することとなった。
 まず、昨年12月、当初から懸案事項であった日の丸掲揚問題に関し、議長が議会運営委員会に「議場に国旗・市旗を掲げることについて」を諮問した。これを受け、委員会において掲げることを多数決により決定し議長に答申、議長が答申を尊重する形で国旗・市旗の掲揚が決まった。議長も議員も明確な掲揚の責任を避けたやり方といえる。
 この決定により、今年の1月1日から、市旗とともに議場に日の丸が掲揚されることとなった。
 そして今年始めて開催された2月の臨時議会の初日(2月13日)、日の丸掲揚に反対していた日本共産党の市議5人と「元気市民の会」で会派を組んでいる無所属の桂睦子市議、
新社会党の山下慶喜市議が抗議の意思を示すために、机上用の国連旗を議場に持って入った。国連旗は共産党市議の提案。各自、国連旗への思いはさまざまではあったが圧倒的多数の与党を前に抵抗の手段として国連旗を選んだ。ある議員は、旗のデザインが地球と平和の象徴であるオリーブをあしらったものであることを理由に、又ある議員は全ての地球、すべての人びとを表す旗として選択し、日の丸に象徴される突出したナショナリズムを批判するために用いた。なかには、茨木市議会の良心が死んだ日として喪服を着用し、数珠をもち議場に入る議員もいた。
 このパフォーマンに対して、掲揚を推進してきた与党議員が反発。旗の撤去を求め、採決によって撤去するかどうかを決定することとなった。採決の結果、与党議員の賛成により国連旗の撤去が決定したが、持ち込んだ7人は撤去を拒否。これに対し議長は退去を命じた。ここで、桂市議は退去し、退去しなかった残り6人に対しては、懲罰がかかることになった。
 与党は懲罰理由のひとつとして、国連機を議場に持って入ったのは、茨木市議会規則の145条、携帯品の条項に違反していることを挙げた。この145条は「議場等に入るものは、帽子、外とう、えり巻、つえ、かさの類を携帯してはならない」というもの。国連旗がこの中の何に該当するのか、判断がつかない。無理やりこじつけたようなものだ。机上に国連旗を置くことが議会審議の妨げでないのかという疑問も出てくる。しかし、途中退去の桂市議に対しては、懲罰がないということから、国連旗持ち込みに関しては、懲罰の対象にならないことがわかった。
 次の理由は、地方自治法104条にある「議長の秩序保持権の侵害」である。つまり、議長の退去命令に応じなかったことを指しているわけだ。ここでの争点は、「果たして退去命令は妥当なのか」という点である。問題が国連旗であるならば、国連旗の排除でことたりるのではないのだろうか。
 今回、これだけの大問題にも関わらず議会の傍聴人は数人程度であった。この問題を知っている茨木市民は、ほとんどいない。議会は一市民にとって遠く、そして、市民から関心を寄せられない議員の闘いも孤独だ。この関心の低さこそ、この騒動の根本的原因だろう。
 茨木市議会は本会議において、議員に対し質問の時間制限を設けている。その時間は短いときは4分、長くて14分。これほどまでに質問時間の少ない議会はほかにあるのだろうか。まるで議員に仕事をするなといわんばかりの制度だが、このことを知っている茨木市民もまた少ない。  
 尾辻かな子(茨木市在住)