茨木市議会議員 山下けいきHP]

 

   加害者の立場からの平和運動   
 議員の日常活動

1999.12.7

 茨木市では、ピースアクションの名で平和運動を進めている。昨年5月に「南京1937」、今年の1月に「ナヌムの家」を上映し、日本が加害者としてアジアに侵略していった歴史を知ってもらう取組みをしてきた。
 この運動に全面的に協力してもらっているのがピースあい(「茨木市安威地区に戦争と平和を学ぶ公園を」市民の会)のメンバーで、私もその一人として議会での発書や市との話合いに参加している。
 本市北部の安威・桑原地区には戦時中、日本海軍が本土決戦備え、衣料・食料を備蓄するための地下トンネルが造られその建設に当たったのが強制連行された朝鮮入だった。当時、強制労働させられた生き証人の方から、ていねいな聞き取り謝査も行なわれている。
 このトンネルの総延長は約1キロメートルにも及び、大阪府内に残っている戦争遺跡としては最大のものであり、強制連行、強制労働の歴更も合わせ貴重な史蹄となっている。
 私もトンネルに入ったが、無理やり連れていかれた異国の地で、暗闇の中、穴を堀り続けた朝鮮の人たちの気持ちはいかばかりかと患わずにはいられなかった。
 今も崩れることなく保存状況が良好なことから、同会はこのトンネルを保存し、会の名称通り、戦争と平和を学ぶ教材になるよう運動を続けており、市の教育委員会がトンネルの造られた経過を説明したビデオを作製し、小中学校の平和教育に使うなどの成果も生まれている。
 また、大阪府の戦後50周年事業の一環として府と茨木市共同の銘板も設置された。銘板の茨木市の原案記述をめぐって、日本が加害者・侵略者であったことから、会は粘り強く話合いを重ね、「強制連行された朝鮮人が苛酷な労働に従事させられ」、(我が国は)「アジア・太平洋地域の人々に大きな災禍と苦痛をもたらした」との表現変更させることができた。
 私は議会で、市独自の文化財として指定し保存するよう求めてきたが、文化庁においても全国の自治体の協力を得て近代の軍事遺跡も含めた遺跡調査が進められている。会は市に対し、経由する府の教育委員会に積極的に資料を提供し、貴重な戦跡保存に前向きに取り組むよう要望している。
 さらに会の活動の中で、茨木市が友好都市の提携をしているが中国安慶市が、日本の侵略拠点であった事実も明らかになってきた。
 この年末にピースあいの皆さんと中国安慶市を訪問し、詳しい調査をする予定になっている。