4月22日、みんなで学校給食を考える会の設立総会が開かれました。 当日は久保貴裕(豊かで安全な学校給食をめざす大阪連絡会事務局長、大阪自治労連・行財政部長)が「子どもたちに豊かで安全な学校給食を実現するために−民間委託問題をどうとらえ、どんな運動をすすめるか」と題して講演しました。 以下は当日の資料(抜粋・変更有り)からです。
1、これからの学校給食をめぐる2つの流 れ一どちらを本流にするのか (1)学校給食法に定める「食教育」を国・自治体の責任で発展させるのか。 (2)学校給食の「安全」や「質」よりも、「効率」や「企業の利益」を優先するのか?
2、自治体の公共サービスの民営化・市場化…これを許していいのか問われている (1)「小さな自治体」…住民の福祉・教育に対する行政責任の後退・放棄。 (2)「官から民へ」…自治体業務を民間企業の金もうけの対象に提供する。 埼玉・ふじみ野市プール事故が示したものは−民間委託で安全よりも利益を優先
3、学校給食の調理業務を、民間営利企業にゆだねると、どんな問題が起こるか?
(1)委託業者が給食の調理業務で利益を確保しようとすれば、@委託料を釣り上げる、A人件費を削る、B物件・諸経費を削る必要がある。 人件費を削るための手法・・・@賃金を下げる。A不安定雇用にする。B人員を減らす。
(2)「安上がりの調理員」は何をもたらすか−専門性、熟練の減少・消滅 @「安全でおいしい給食を、毎日大量に、毎日違うメニューで、時間内に調理する」学校給食は一般の食堂やレストランとは根本的に異なる。 専門性をもたない未熟練な人が調理すると、どんな問題が起こるか。
(民問委託された全国の学校給食現場で起こっている例) ・調理員の時給は700、800円台の低賃金。生活保護水準。働き続けられる賃金でない。 ・一般の調理員だけでなく、チーフ、サブチーフも契約社員。入れ替わりが激しい。 ・技術が未熟で、素材から手作りする調理に対応できない。 ・調味料の入れ間違え、材料の使い忘れ、生煮えなど食べられない料理になることも。 ・異物混入など安全を脅かす事例も、直営より多い。 ・時間内に給食が出来上がらない。調理の完成が給食時間に間に合わない。 →安全のために実施している「食材の当日納品」「当日仕込み・調理」「調理後2時間以内で給食」(学校給食衛生管理基準)に対応できない。 ・除去食、手作りなどの給食に対応できない。業者が難色を示す。 ・栄養士は委託業者のチーフに文書(指示書)で指導するのみ。調 理員とのチームワーク、コミュニケーショシができない。
A利益確保のために「調理業務の簡略化」「食材納入の委託」を求める委託業者もいる。
(3)委託校が増えて多数になれば、自治体としての対応能力が弱まる。 委託料の釣り上げ、調理方法の簡略化、食材納入先の変更…。 全面委託された東京都・足立区では…献立・調理方法の大合理化通知(2005年1月) 委託料がつりあがっても、給食業務には使われず、委託会社の利益に回る。
(4)委託業者の選定、委託契約をめぐっておこっている問題 (5)民間委託のほうが本当に安上がりか?一調理員の人件費をめぐって (6)災害など非常時への対応はできるのか?
〔めざすこと〕 教育の一環としての学校給食を守るために @自校調理方式で、安心・安全なおいしい小学校給食の継続をめざします A学校給食法にのっとった中学校給食の実施を進めるよう求めます B財政を理由にした安易な民間委託計画をやめるよう求めます。 〔役員〕 代表委員、会計、事務局長、事務局次長、事務局員の役職を、茨木母親連絡会、茨木教職員組合、茨木市役所職員労働組合、茨木の学校給食と食文化を考える連絡会、新日本婦人の会茨木支部が担当し、事務局員には日本共産党市議団の岩本議員と私・山下が入っています。なお事務局は茨木市双葉町14−6 新日本婦人の会茨木支部です。 〔活動方針〕 市民に運動や現状を広く知らせるために@学習会、Aアンケート、Bビラ配布を おこないます。民間委託計画をストップさせるために@署名活動、A茨木市へ申入れ行動などに取組みます。 〔財政〕 各団体・個人の会費、カンパでまかなうものとし、当面の活動費用として、団体は1口3000円以上、個人1口500円以上納めるものものとします。 |