茨木市議会議員 山下けいきHP

 

 

日の丸の議場掲揚はおかしい 

2001年 議会運営委員会

 

○山下委員 さっき、議場で君が代を歌ったらどうだという考え方が刷新21からあるようですけども、私はこの12月議会の中でも言いましたように、成人祭の日の丸、君が代それから 市民憲章 、これはやめるべきだと。ああいう軍国主義的な雰囲気のものは一切やめるべきだということを申しあげて、やるんなら、日本国憲法の前文の暗唱か朗読かしたらどうかということを申しあげましたけれども、今回の経過についても全くそのように思っています。

3点についてどうかと共産党さんからありますので、我が会派の考え方を申しあげたいと思います。辻村委員さんは市庁舎に日の丸、君が代があることは受忍の限度内かもしれないかもしれないが、議場内にあることについてはその範疇を著しく超えるものだというふうにありましたので、私は議場に掲揚する合理的理由は一切ないと思います。

 

2点目で議長の責任で掲揚することは、議会全体の代表者でありますので、議長が行動する場合には基本的には全体の意思一致が必要だろうと思います。日の丸の問題については著しく考え方が異なっている、原理原則が異なっている状況ですので到底議会全体の意思とは取られないので、この点についてはどういう手続きを取ろうと望ましくないと思っています。

 

これも井上議員は公共の福祉を取り出してきて、基本権についてはその場合、一定の受忍の範囲があると話されましたけれども、私も図書室の中で公共の福祉と基本的人権のあり方ということで、憲法の本を読んでいたんですが、公共の福祉というのは一般的に言われているような軽々しい形で公共の福祉を持ち出して基本権を制約できるということは、最高裁判所のほうも取っていないというようにありますので、何が公共の福祉かということについては、個々の事案に対してきちんと解釈をしていくべきだという話がありました。今回の内容について言うと、受忍ということには到底当たらない。

 

私は18歳のときから、日の丸に頭を下げることもしなければ、君が代を歌うこともない。まして、それを議員という立場になって議場の中に掲げられることについては到底耐えられない。そういう思いをしております。そういったことも含めて共産党さんの3点に対する答です。

 

私の立場から日の丸をどういうふうに考えるかということですが、大日本帝国憲法と日本国憲法の間には、著しい180度の世界観の転換があったと思う。提案者の立場で皆さんがおっしゃった中身は、憲法が変わったからすべてが変わったんだというように言いました。新しい憲法の中で出来あがった法律は全部合法だとそういった理論展開をされたんですが、そういったちゃちな理論は通用しない。今回の国会も前の国会も含め、憲法違反と識者から指摘される法律が山ほどある。盗聴法にしたって住民基本台帳法の改正にしたって、今回のテロ対策特別法にしたって、まさしく、違憲の法律オンパレードである。そういう状況です。そういう点から井上議員の論理展開については間違いであるという考え方をまず、申しあげたい。

 

さらに、戦前の憲法と今の憲法との違いというのは前の憲法は天皇が定めた憲法でありまして、天皇のために死ぬというのを国民の美徳とするということが基本的に流れています。新しい憲法は国家のためとか、天皇のためとかいうことではなく、あくまでも国民が主人公ということが大前提としてあるわけで国家のためとか、あるいはこの中で似た表現としては郷土を愛するとか、昔は郷土を愛する、国を愛する、それが即、天皇と結びついていった苦い経験を持っています。そういう点で、愛すべきは国民一人ひとりであって、国とか郷土とかを持ち出してきてそのために一定のイデオロギーを集中させていくような考え方については、是認できないと思っています。

 

日の丸については抵抗が少ないと言いますが、決してそうは思っていません。たとえば、戦争が終わったときにドイツはハーケンクロイツ、国旗をなくしました。それは深い戦争への反省があったからです。今、もってドイツの法律の中では、ハーケンクロイツは一切禁止です、現在でも禁止です。なぜかというと、ハーケンクロイツは戦争遂行するためのシンボルだったんです。日の丸も一緒です。そういう点で日本人は戦争の反省というのはないがしろにされている。外で演説しているようになりますから、言いませんけど。私はそういうものだと思っています。

 

ですから、戦前の歴史を考えていく場合、一定の方向にしかも国家主義とかそういうものと結びつくような動きは是認できない。議場に日の丸を掲げるいうのはとんでもないことです。日本の政治状況はだんだん悪い方向に向かっていくというふうに思ってますが、まさにその動きを先取りして、天皇とか国家主義とかの方向に動かしていくそのひとつのものとして今回のものはあると思いますので、これは絶対反対です。