茨木市議会議員 山下けいきHP

市民の期待に応えられる議会をめざして

市民の皆さん

 今茨木市議会では前代未聞の暴挙が与党と称する議員によって行なわれています。これは50年間にわたって先輩議員が築いてきた質問時間の保証という民主的慣行を打ち破り、質問時間に制限を行ない議員の質問権を奪うというものです。

 最初にこの一両日の経過についてご報告いたします。

12月2日午後1時より開かれた12月市議会の運営について協議するための議会運営委員会の中で、木本保平議長が議会の品位を著しく傷つける発言(畑中孝雄議員に「馬鹿」、山下慶喜議員には「おまえ」という)を行ないました。この会議に出席していた畑中孝雄、朝田充、山下慶喜3委員はただちにその発言に抗議するとともに、そうした中では正常な審議が行なわれる保証がないとして退席しました。

 ところが異常な事態の打開について、3委員に適切な条件が示されないまま、一方的に出席の催告がなされ、3委員退席のまま、質問時間の制限を試行することが決定されました。そこで私たち両会派は、このような状況下で行なわれた決定は無効であると、井上議会運営委員長に申し入れを行ないました。またこうした暴言は断じて許されないとして、市長に両会派10名全員の連署をもって懲罰動議を提出するための臨時議会を召集するよう請求しました。

 いずれにしても議員の生命である発言を制限する議論の中で行なわれた暴言でもあり、重大な事件として対処する決意であります。

 次に私たちが質問時間の制限に反対している理由について申し上げます。

 議員固有の権利である発言権に議会が制限を加えることは議会自らの自殺行為に他ならない。

 限られた時間では質疑も問題点の解明も不十分となり、行政をチェックするという議会の役割を果たすことが できなくなる。本市では市民の意見を二分する安威川ダム、国際文化公園都市の建設という重要課題があり、 水道部、消防本部職員の不祥事や天王福祉会の一連の事件が相次いで発生し、また介護保険の実施も迫ってく るなど、議会で徹底して審議しなければならない事案が山積されており、市民も議会での論議に関心を持ち徹 底した審議を期待している。

 答弁する側は時間がくればとの思いになりがちで、うやむやの答弁に終始し真剣な答弁を避ける傾向になり、 本会議が更に形式的なものになってしまう。

 議員自ら質問内容を省略することになり、多くの課題で追求することができず、市民の期待に応えられない。

 全国市議会議長会と都市行政問題研究会が本年二月に出した「地方分権と市議会の活性化」に関する調査研究 報告書でも「一般質問は議員にその固有の権能として与えられ、・・・市民から関心と期待が寄せられる重要 な議会活動の場である」として「質問に対する回数制限や時間制限については、緩和又は原則廃止することを 検討する」ように提言しているが、時間制限はこの提言に逆行し、議会機能の低下をもたらすものである。

 今でも議員全てに質問の機会が与えられており、時間も確保されている。ここ数年、質問者が多いとの理由で 日程を追加したことはなく、時間の割り振りがなければ質問ができないというのは何ら根拠がない。もし時間 が足らなければ審議日数を増やせばいいだけである。

 それどころか前任期の4年間で代表質問、一般質問あわせて4回未満の議員が過半数を超える20名、ゼロの 議員が5名もいるなど、質問者が少なく低調な議会の現状こそ問題である。

 所属する政党・会派、会派人数の多少に関係なく、誰のどのような発言であれ、これを保障することは議会制 民主主義の基本である。以上の理由からです。

 なお発言時間の制限については議長の諮問を受け議会運営委員会で協議が進められましたが、賛否両論があり、意見の一致を見なかったと答申したばかりです。議長は諮問した以上、答申を尊重する道義的な責任があり、円満な議会運営を行なうためにも意見の一致をみるまでは現行通り行なうべきです。また議長が全会一致制を原則とする議会運営委員会の確認事項を守ることは当然のことです。

 茨木市議会が50年にわたって守ってきた民主的慣行を踏みにじり、円満な議会運営を放棄し、委員に対して侮辱発言を行なった木本議長の責任は極めて重大です。

 私たち議員団は一昨日の暴挙を許さず、市民の期待に応えられる議会をめざし、質問時間の制限を許さないために全力を尽くす決意です。市民の皆様のご理解、ご協力を心からお願いいたします。

1998年12月4日

      市政クラブ市議会議員団、日本共産党市議会議員団