「お元気ですか」179号

       

無駄な利水に100億円

 大阪府は臨海工業水道事業団から12.7万を買い受けており、これを含んで238万の水利を確保しています。9月3日に水需要に関して水道部の中間報告があり、現在の238万で十分と述べており、最終報告も同様になると思われています。

 こんな状況の中で市広報9月号に安威川ダム特集が組まれました。市は「なぜ、安威川ダムが必要なのか、ダムの目的を再認識してもらう」と市民に一方的にダムを押し付け、当初計画の実施を府に求めています。その根拠は今までダム関係地域に無理をいって当初計画に協力をしてもらい、協定も結んできた。利水を含んだ当初計画が変更になれば、「関係地域との信頼関係を損なう」ことになり、ダム計画にも支障をきたすというものです。

 また、この広報と足並みを揃えるかのように、公明党が9月議会に「ダム推進決議」(裏面に掲載)を提案して来ました。7月に開催された安威川ダム建設対策協議会でも「当初計画どおりやれ」の大合唱です。

 市、公明などの市議会推進決議派、推進府議会議員を見ていると「頑迷固陋、ここに極まる」の感があります。なぜなら、大阪府が水需要を見直すのは当然のことだからです。すでに十分すぎる水があるのですから、今以上の水はいらないというのは当然のことではないでしょうか。

ダム推進派は水需要については何の反論もできません。そこで持ち出したのが「危機管理の観点から複数水源が必要」という屁理屈です。琵琶湖・淀川がダメになったら、安威川もダメと思うのが普通の考えではないでしょうか。美浜原発が事故を起こして放射能が琵琶湖を汚染したら、誰も近畿には住めないのです。原発を容認しながら危機管理を口にできるのは科学的な思考力がないか、いい加減なのかのいずれかでしょう。

しかも複数水源といっても、安威川の取水量は琵琶湖・淀川の3%にもなりません。焼け石に水とはこのことでしょう。何の危機管理にもならないのです。

 

府は安威川ダムでの取水を中止に

ところが、公明が一時代前のダム推進決議を提案

 

公明党が提出した 安威川ダム建設の推進に関する要望決議(案

 安威川ダムは、昭和42年7月の北摂豪雨により、安威川流域に多大の被害を生じたことを契機として、大阪府において、抜本的な治水対策が検討された結果、建設が計画されたものである。昭和46年には、府の水資源計画の一端として位置づけられ、治水・利水を合わせた多目的ダムとして、関係地域住民の理解と協力を得て、これまで事業が進められてきた。

 現在、大阪府では、建設事業評価委員会の意見具申で求められた水需要の再精査などの課題の検討を進められている。しかしながら、関係地域住民は、長年にわたる協議の結果、現計画に基づいて、ダム建設合意の基本協定を締結し、それぞれの生活再建計画を立てられている。万一、事業の具直しに伴い、ダム計画に変更が生じれば、関係地域住民との信頼関係が損なわれ、ダム事業そのものの推進に支障を及ぼす事態となることは必至である。

 安威川ダムは、水害の危険から、流域住民約30万人の尊い生命と貴重な財産を守る安全・安心のための基幹施設であり、最も優先されるべき課題として、着実に推進する必要がある。また、土室川分水路等の事業もダムの完成によって最大限の機能を 発揮することになる。加えて、現在、大阪府の水資源は、淀川水系のみに依存しているが、東京都や愛知県などは複数水源で安定給水を図っており、危機管理上も、府下唯一の独自水源として必要である。

 よって、本市議会は、大阪府に対し、これまでの治水・利水の歴史と経緯、関係地域との信頼関係に基づき事業が進捗してきた経過を深く認識し、安威川ダムについて、計画どおり事業を推進されるよう、強く要望する。

 以上、決議する。

 

ダム推進決議反対の声を

市議会議員に伝えよう

 このままでは最終本会議の24日に安威川ダム推進決議が多数で強行されます。

 まったく必要のない水の確保のために100億円の私たちの税金がむだ遣いされてしまいます。ぜひ支持している議員、近くの議員、「環境は大事」「森と緑を大切に」と口にしている議員に働きかけて、推進決議反対の議員を増やしましょう。議員の連絡先は山下か、議会事務局までお聞きください。