「お元気ですか」179号


   9月議会 本会議質問

体温調節機能に配慮した保育所、学校園の環境を

武蔵野市では、若者の体温調節機能低下の一因が幼少期の冷房で管理された環境にあるとして、屋根の散水、日よけの設置、ガラスの種類の変更、換気システムなど、できるだけ自然な環境で汗を流して遊ぶ、涼しい環境を作る方向で努力している。本市でも幼少期の体温調節機能に配慮して環境やクーラーの温度設定など検討してはどうか。

防災訓練も日頃の連携を

毎年多くの機関が参加しているが、マンネリ化していないか。@訓練の内容はどのように決まるのか。毎年テーマを決めているのか。訓練は多発する自然災害の傾向を踏まえているのか。A自然災害は広域に及ぶものが多い。災害時だけではなく、日頃の訓練も含めて広域的な連携を考えていくべきではないか。

個人情報の外部提供は慎重に

プライバシー保護の観点から、外部提供は法令等で限定され、他市では安易な外部提供が問題になっている。本市の外部提供はどうなっているか。昨年度、外部提供した相手と、その根拠は何か。また個人情報保護条例は年月が経過し、法律の制定など社会情勢の変化もあり、見直しすべき時期ではないか。

予防接種を巡る議論に関心を

先日予防接種でお子さんを亡くされた被害者家族や医師など医療関係者の集まりが高槻であり、予防接種の問題点について学習する機会があった。病気ではなく予防接種によって死んでいった我が子を見るとき、何のため、誰のための予防接種なのかという怒りが湧くと家族の方が話していた。しかしワクチンメーカーなどの利益を図る政官財の癒着の中で、被害者が生み出され、税金が無駄遣いされる構図が一向に改善されていない。

@効果、安全性、必要性の三点が確保されて始めて実施に値すると思うが、どうか。

A本市の接種委託料は総額でいくらか。その中で最も単価の高い予防接種は何か。

B市は個々の接種を巡る賛否の議論に関心を持ち、情報の収集、意見交換に努め、緊張感をもって仕事に臨むべきだ。情報収集、部や課における意見交換はどうなっているのか。

住基ネットの問題点にふれない広報はおかしい

@多くの問題点があり、議会でもさまざまな指摘があったにもかかわらず、広報8月号がこれに何もふれていないのはおかしい。Aカード申請数は現時点でどれぐらいか。B個人情報が住基ネットから漏れた場合、ネットとの接続を切断するという自治体がいくつもでてきたが市の考えはどうか。


元気市民、共産党が情報公開条例の修正案提出

最終日に提案した修正案は知る権利を最大限保障し、実施機関の責務の明確化、迅速な対応を明文化させるものです。否決されましたが、これからも議員の提案権をあたりまえのものとして使っていきたいと考えています。

具体的には条文の中に以下の内容を盛り込みました。

@知る権利を「尊重」から「保障」に改め、市民の知る権利を明確に。

A情報提供の拡充、公文書の管理と公表、市民の利便性を高める実施機関の責務の明確化。

B行政の迅速な公開を促すとともに、非公開の情報を原案より限定させる。

C請求者の負担する金額の明確化。

D全ての実施機関に、情報公開の実施機関としての自覚と責任を促す。


民主党学校事務職栄養職の国庫補助金の継続に反対

民主党は戦争を実施するための有事法制に賛成し、社民党や共産党を消滅させる衆議院比例80議席の削減を総選挙の公約にするなど、自民党や財界への迎合は目に余るものがあります。かつて社会党を名乗っていた議員諸氏は平和憲法や民主主義からの変節をどう説明するのでしょうか。民主党は9月市議会でも学校事務職・栄養職の労働条件を守る国庫補助金の継続の意見書に反対しました。


9月本会議の質問内容です

なお質問項目については1項目だけ、敬称は略しています。

議案名

質問者(会派)

質 問 項 目

情報公開条例

辻村 惺(共産党)

審査会諮問以降の経過について

山下慶喜(元気市民)

改正案の概要、意識改革について

一般会計補正

岩本 守(共産党)

本市南部地域における街づくりについて

井上勝美(刷新21

防犯対策について

大谷敏子(民主市民)

学校図書館について

村井恒雄(公明党)

桜通りのライトアップについて

朝田 充(共産党)

大阪府各種医療費助成制度の存続について

羽東 孝(刷新21

今後の人権行政の方向について

桂 睦子(元気市民)

ひとり親施策について

松本利明(民主市民)

行政改革について

中内清孝(刷新21

新総合計画について

畑中孝雄(共産党)

一般財源総額の目的別配分について

西田 孝(民主市民)

コミュニティセンターの監査執行について

山下慶喜(元気市民)

保育所・学校園の冷房について

松島勝夫(公明党)

住基基本台帳カードについて

 

  文教人権常任委員会

公文書の性別欄の記載は無くすべきだ

性同一性障害者に対する配慮という点で公文書の性別の記載を無くすべきだと指摘してきたが人権部、教育委員会での取組みはどうなっているのか。期限を切って早く対応すべきだ。

答弁 全庁的に指導、連絡している。今後とも集中的に検討して進めていきたい。

個人情報の提供は慎重に

昨年18件目的外利用の中で外部提供しているが、公的性格の薄い財団法人電波技術協会に連合自治会名簿を提供しているが、便宜供与的な外部提供は慎重にすべきではないか。

答弁 慎重な対応はその通りだが、営利を目的としていないことから出したものである。

人権啓発推進委員会は個人参加をめざせ

この委員会はどれぐらい作られているのか。現状は既成の団体役員だけの構成になっているものが多く、個人参加が見られない。やる気のある個人が参加できるよう開かれた組織をめざすべきではないか。

答弁 31校区で18地区発足している。指摘の個人参加は当然である。

携帯電話の問題点に関する指導は

児童生徒の所有の実態を把握しているか。問題点についてどのような指導をしてきたのか。●答弁 本人専用の所有率は小学5年で1割、中学2年44%、高校2年89%である。大

 阪府警のパンフレットなどで指導している。

教職員、児童生徒への禁煙指導について

教育委員会は教職員の喫煙に対してどのような見解を持って指導をしてきたのか。学校での喫煙場所は決められているのか。児童生徒の喫煙率についてどのような把握をしているか。また何らかの調査を行ったことがあるか。保護者と連携しての取組みがいると思うが、現状はどうか。

答弁 学校園では分煙を指導している。中学2年で経験者449%である。保護者と連携しての取組みは必要であると考えている。

教育委員会会議録は完全筆記に

会議録をできる限りいろんな公的施設に配置する点について改善してほしいとの要望について結論はどうなったのか。情報公開の世の中になり、よその教育委員会では完全筆記が進んでいるが、本市はいつまで時代遅れの要点筆記を続けるのか。

答弁 中条、水尾、庄栄、穂積の図書館にも設置を考えていきたい。会議録は要点筆記のままでいきたい。

障害者にやさしい行政を

言葉の不自由な人、耳の聞こえにくい人にとって電話での申込みはしにくい。竜王山荘などはファクスやメールでの受付も認めるべきではないか。

●このときの答弁は現況の説明だけでしたが、委員会終了後、検討の話がありました。

不登校児童・生徒への指導について

全国では不登校が小学生036%、中学校27%になり初の減少と報道されているが、本市の不登校率はどうなっているか。学校に行かない、行けない児童生徒の対応についてはフリースクールも含めて数多くの選択肢を準備してもいいのではないか。

答弁 小学校で0 39%、中学校で4 14%である。教育研究所のプレイルームに来る子どももいる。

教育的意義のない子どもの議会は見直しを

子ども議会の議員は児童から選出されていないことから、関心が議員とその家族に限定されている。実際の議会とは異なり、事前に調整された質問と答弁のセレモニーに過ぎず、再質問もない。実際の議会に対する誤った認識すら生まれかねず、教育的な意義を感じない。学校担当者への負担を考えると実際の議会を傍聴する方がまだいいのではないか。

答弁 今のままでやっていきたい。

学校図書館の蔵書を増やし、読書の推進を

茨木の学校図書館の蔵書数は国基準をどれぐらい達成しているのか。また学校図書館は対教師用としての側面を持っているが、教師用、児童用の予算配分はどうなっているのか。

東京足立区では子どもの読書活動を推進していくための努力がなされている。本市でも小学校入学時の図書館利用案内の配布や、幼稚園の図書スペースを拡大する考えはないか。

答弁 昨年度は6割から7割の達成率であるが、今年はもっと率は上がっている。指摘の点は努力していきたい。

図書の宅配サービスを

図書館のイメージを教養から実用にも役立つよう発想を変えていくべき時代になっているのではないか。本市の蔵書構成比は総記、哲学、歴史、社会、自然、工学それぞれどうなっているか。昨年度の努力目標としてレファレンスサービスの機能充実と郷土文献資料の収集保存に努めるとあったが、この目標は達成されたのか。ハンディキャップを持った人へのサービスの充実、また在宅療養、けがなどで来館が困難な人への宅配を考えてはどうか。また外国人の利用はどれぐらいあるのか。多国語のガイドブックを作るべきではないか。また図書館への登録率は利用率に変更していくべきではないか。

答弁 指摘を踏まえ検討していきたい。

息苦しい監視と管理の社会ではなく、

のびのびと自分らしさが大切にされる社会を

民や公明、民主の議員が私欲や保身で小選挙区制、政党助成金、小政党を認めない政党要件を導入して以降、日本の政治は悪くなる一方。そんな中で、国民の批判を抑えようと国民をがんじがらめにする超管理社会がつくられようとしています。

 電話・メールを盗聴する法律、国民をコード番号とカードで管理する住基ネット、国民のための国家ではなく、国家のための国民をめざす国旗国歌法、自衛隊の海外派兵から有事法制への流れ、大学に国が介入する国立大学法人化法、平和・民主主義・人権を基本とする憲法や教育基本法の改悪・・・ほんとにうんざりほどです。

 9月議会に出されたのが、その流れとしか思えない次の意見書。犯罪防止といえば誰も反対しないと思っていたのでしょうが、私はこの意見書に反対の討論を行いました。

 物事を事実に基づいて分析せず、偏見と思い込みだけで意見書を出す自民,公明,民主の軽さに閉口してしまいます。なお彼らは意見書賛成の討論もしませんでした。

犯罪防止のための治安対策の強化を求める意見書

我が国の犯罪情勢は、平成13年全国で発生した刑法犯は273万5,612件と戦後最高を記録し、過去10年間で約100万件の増加となっており、とりわけ刑法犯の9割近くを占める窃盗犯の増加が著しい。また、過去10年間で路上窃盗及びひったくりの件数はそれぞれ4.5倍、3.6倍に増加するなど、路上犯罪の大幅な増加が目立っている。また、来日外国人による凶悪犯や組織的窃盗事件が増加し、その全国への拡散化傾向がうかがわれるとともに、少年非行の凶悪化、粗暴化が進み、ひったくりの総検挙数に占める少年の割合は7割を超えるなど、少年非行も深刻化している。

治安の維持は、国民にとって最大の社会福祉である。もはや、犯罪が凶悪化、多様化、国際化する今日の危機的状況を放置することはできない。

よって、本市議会は、政府に対し、治安の回復をめざし、内閣が一体となって下記の諸対策を速やかに実施するよう強く要求するものである。

1.暴力団及び外国人犯罪組織等による組織犯罪対策への取組みをさらに強化するとともに、銃器を使用した凶悪犯罪や薬物組織犯罪への対策も強化すること。

2.警察官を増員し、人口に比して警察官の少ない地域へ重点配分するとともに、警察官OB等の活用や交通警察の一部民間化により交番・駐在所の整備充実を期すこと。

3.警備業者等を活用し地域パトロール等を強化したり、防犯効果の大きい地域コミユニケーション形成についての国民の意識啓発を進めること。

4.留置場・拘置所など治安関係施設の整備拡充を図ること。

5.犯罪防止の立場から毅然たる入国管理体制を確立すること。

6.青少年の健全育成のための推進とあわせ、軽微な少年犯罪の放置が犯罪の増発・凶悪化に発展する傾向性を重視し、少年非行防止、薬物乱用防止対策、暴走族対策等を強化すること。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

なぜ私・山下は反対したのか(討論の要旨)

意見書は犯罪が生じる社会的要因がどこにあるのか一言も触れていません。犯罪の原因を社会科学的に分析し、その対応を図らなければ、単なる対症療法に過ぎず、真の対策とはいえません。また「社会政策は最良の刑事政策である」と言われるように、経済政策、福祉政策が犯罪防止に大きな役割を果たしている点についての言及もありません。

意見書が来日外国人の犯罪や、その拡散化傾向をことさらに強調し、毅然たる入国管理体制の確立を要求している点も看過できません。奈良大学社会学部、間淵助教授のリポートによると1997年から2001年では、来日外国人の犯罪者率は日本人の39%から45%にすぎず、内容的には粗暴犯が2割、窃盗犯、知能犯、風俗犯が5割となっています。高いとされる凶悪犯も日本人と同様の比率でしかありません。

新聞報道の比率は日本人の検挙で報道された率1.49%に対し、来日外国人全体では7.25%になっており、報道率は日本人の4.87倍になっています。間淵助教授はこの過剰報道が「来日外国人が増加すると犯罪が多発する」という認識につながっていると指摘し、客観的データに基づいて冷静に判断することの必要性を強調しています。

また外国人問題に詳しい山口元一弁護士は、来日外国人は加害者よりも、被害者になっており、来日外国人の弱みに付け込み、日本人には絶対しないような賃金の不払い、カット、劣悪な労働条件が横行していると指摘しています。

警察官の増員ですが、市民生活の平安を守るため、職務に精励されている警官が大多数を占めていることは承知しています。しかし神奈川県警の本部長を始めとする組織ぐるみの犯罪、それに続く新潟県警など、警察の不祥事が相次ぎ、その温床とされる極端な秘密主義、自浄作用や人権感覚の欠如、公安委員会の形骸化、警備公安警察の偏重、キャリア組とノンキャリア組の昇進における大きな格差といった諸問題の解決に向けた民主的な改革が遅々として進まない中での増員は、改革にブレーキをかけるものであり認める心境にはなりません。

 また人口に比して警察官の少ない地域への重点配分も、人、もの、金が集中する都市部ほど犯罪が集中するという私の認識からすれば、人口に比例して犯罪が発生しているという単純な見方には、疑問を感じるものであります。

警備業者を活用した地域パトロール、防犯効果の大きい地域コミュニケーション形成についても、具体策は不明であり、盗聴法、住基ネット、総背番号制など国民への管理と監視が強まる中では、戦前の隣組による監視体制になる危険性も杞憂とはいえません。

今回の意見書は「犯罪が凶悪化、多様化、国際化する今日の危機的状況」と、国民の不安を煽り立てる一方で、「治安の維持は最大の社会福祉」と持ち上げています。しかし犯罪への冷静で詳細な分析や検討を欠き、力で犯罪を押さえ込む方途だけが強調されており、かえって犯罪の根本的解決を妨げるのではないかと危惧します。以上意見書のいくつかの問題点を指摘し反対の討論とします。